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「やってけんのかな〜俺らだけで」
珍しく定時で上がっていつものBARに来ていた。
今日のことについて話していたら、突然岩ちゃんがため息をつく。
正直、私もすごく不安だ。
失敗すれば、この先どうなるかわからない。
そんな大きな仕事を、私たちだけでやり遂げられるだろうか。
カクテルを口に運んで、部長の言葉を思い出す。
『お前たちは部署内でも1、2を争う社員だ。入社当初から優秀な仕事っぷりを見せてくれた。お前たち2人が揃えば、ほかの誰もが見せなかった企画ができると思う。お世辞じゃなく、冗談でもなく、やる気を引き出すための材料でもなく、本気でだ。』
信頼されている。期待されている。
ありがたい事だけれど、大きなプレッシャーがついてくる。
『大丈夫、お前たちならできる』
口角を上げた部長の顔。
記憶に張り付いて離れない。
「なーに弱音なんか吐いちゃって」
他の人に接客していた隆二さんがいつの間にか戻ってきていて、ニコニコと岩ちゃんを見ていた。
笑い事じゃないっすよ〜って満更でもない岩ちゃん。
そんな2人を見て、なんだか大丈夫な気がしてくる。
「本日のサービスはこちらになっております」
わざとらしくそう言った隆二さんが出したカクテルは、ブラッディメアリー。
ウォッカをベースとし、トマトジュースを用いたカクテルとなっている。
カクテル言葉は『断固として勝つ』
本当にこの人はすごい人だ。
いつだって欲しい言葉をくれる。
血のように真っ赤なカクテルを喉に流し込んだら、不安なんてもう感じない。
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ケイト(プロフ) - ぐらさん! はじめまして。 テンポ良くてとても楽しいお話です頑張ってくださいね。楽しみにしてます。 (2019年12月21日 12時) (レス) id: 58e2f25ab2 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - とさこさん» ありがとうございます! (2017年12月22日 18時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
とさこ - これ本当に面白いです!続き楽しみにしてます (2017年12月8日 0時) (レス) id: a052acf338 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐら | 作成日時:2017年11月20日 16時