HERO 4 ページ4
私が何故ここまで偏差値が馬鹿みたいに高い高校に入ったかと言うと、それは二つの簡単な理由からだ。
一つは、美術部が長けているから。
県の大会でも必ずや上位には食い込んでいる、云わば強豪校だ。
この周辺に社宅が多いのもあり、やはり外国人やハーフが多い。
そのためやはりセンス等の数値が他の学校よりずば抜けているんだろう、
二つ目は、家が近いから。
なんと目の前。どんどんぱふぱふだ。
徒歩十秒。なにこれ楽ちん。
交通費も浮くため、おこづかいだって増した。
今頑張っちゃえば、後々楽になる。
そう自分に言い聞かせながら勉強してきたあのときの私は、多分集中力なら誰にも負けないだろう。殺気も気持ち出ていたのでは無いのだろうか。
「ただいま」
「おかえり__今日は麻婆春雨よ」
「これまたコメントしにくいメニューだね」
元気におたまを振り回す母を横目に、二階の自分の部屋へと少し早いテンポで上る。
「お勉強お疲れ様!アニメ楽しみなさいよ」
「うん、ありがと」
一階から母の元気な声を聞きながら、ドアを開ける。
良い母を持ったこと。
これが私の誇りかもしれない。
「…あー、だめだ」
頭から、離れない。
テレビのチャンネルを片手に、いつものアニメをテレビの画面に映し出させる。
「……」
いつもならTwitterへ一直線なのに、私はLINEとにらめっこしていた。
くしゃくしゃのメモに書いてあるIDを慣れた手つきで入力する。
するとハンバーガーのアイコンとアルフレッドと言う名前が画面に映し出された。
「…ハンバーガーって」
ツボにはまり、笑い出してしまう。
不思議だ、さっきまであんなに殺伐としていた人なのに。
ふとテレビを見ると、
「え…あ、ぎゃぁぁぁぁ!?」
いつの間にかエンディング。
録画もしていないため、私のハードディスクに残ったのは絶望だけだ。
「ぁ…あ」
絶望だけが響き渡る。
ああ、週一の楽しみが___
「こんの…ハンバーガー野郎!」
携帯をベットへと投げつけ、クッションに顔を埋める。
どうなったんだろう、レオンは悪魔に勝てたのだろうか___
「…悪魔、かあ」
私はそうふてぶてしく呟き、携帯をまた手に取った。
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*さくら大福*(プロフ) - きなこもち@元きなこさん» コメントありがとうございます!更新早いですか!ペース上げれてますかね…更新頑張ります!本当にありがとうございます! (2015年8月30日 10時) (レス) id: 9ef5974a12 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち@元きなこ(プロフ) - すごい更新早くてとっても面白いです!更新楽しみにしてます頑張ってください!! (2015年8月30日 9時) (レス) id: e14b83668e (このIDを非表示/違反報告)
*さくら大福*(プロフ) - みありす☆さん» コメントありがとうございます!面白い…!?わくわく…!?勿体無いお言葉をありがとうございます!頑張ります! (2015年8月28日 19時) (レス) id: 9ef5974a12 (このIDを非表示/違反報告)
みありす☆(プロフ) - すごくおもしろいです!わくわくしながら読ませていただきました(*´ω`*)♪応援しています頑張ってください! (2015年8月28日 18時) (レス) id: b5797eb0d2 (このIDを非表示/違反報告)
*さくら大福*(プロフ) - 蘿蔔さん» コメントありがとうございます!素敵なお話…!?表現力…!?勿体無いお言葉ありがとうございます!更新頑張ります!本当にありがとうございます! (2015年8月22日 15時) (レス) id: 9ef5974a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら大福 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年8月3日 4時