【aph】正義の定義【アルフレッド・Ｆ・ジョーンズ】

HERO 11 ページ11

「指、細い」
「そうかい？」

白くて細い彼の指は、何だかちゃんと食べているのか私を不安感で埋め尽くさせる。

「ねぇ、お昼御飯は」
「太かったらヒーローになんてなれないさ」
「バカなんですか？」

はぁ、とため息をつく。
そのため息に、今の驚きを詰め込んで。

彼は片方の指で頬を恥ずかしそうに掻く。
えへへ、と笑う彼はとても子供らしくて。

うちの学校には購買はないため、皆持参だ。
バックを漁ると、白米のように白い下地に熟れたリンゴのように真っ赤な水玉をあしらった可愛い巾着袋が出てくる。

「私ダイエット中なので」
そう言いジョーンズさんに押し付ける。
彼は驚いた顔をして、こちらを二度見する。

「ぷにぷにした子の方が可愛いよ？それに太ってないし」
「男子と女子じゃぷにぷにの基準が違うんです」
「わぉ…そんなもんかい」

にへへと顔を綻ばせる彼は可愛かった。

「これ、君の手作りかい？」
「さすがにお弁当までは親に迷惑かけたくないので、バイトしたお金で作ってます」
「良い子だね、今度お礼させてよ」
「結構です」

彼が笑っても、私は笑わない。

だって、笑う必要ないじゃない。

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