【aph合作】カークランド家のメイドやってます。7【しげの2号&さくら大福】

メイドさん。356【さくら大福】 ページ49

「え__アーニャ」
「教えてくれない？私に愛を」

フランシスは見開いていた瞳を細め、幸せそうに微笑んだ。
幸せが何なのか分からない二人の出会いは、利害の一致とも言えるだろう。

「キミも分かってないんでしょ？愛の暖かさをさ」
「ごもっともだよ__まだ、分からないんだ。
愛の暖かさが。
定義が分かっても、本物を知らないから」
「私はね、本物を知ってるけど__それでも定義がわからないんだぁ」

二人は笑っていた。
小さい幼子の様な無邪気な笑みは、苦しみなんて忘れ去れる。
一秒だけ、呼吸を止めて。

涙を飲み込んで、愛を吐き出して。

尊い愛など、もういらない。

小さな愛を、育んで行こう。

「私、幸せ」
「お兄さんも」
「子供も産みたいけど__キミ襲わないでよ？」
「したら？」
「__私、子供を産んだら本当に理解できる。
だから__さ、分かるでしょ？キミの能天気な頭でも」
「殺されるね」

正解だよぉ、と笑うアーニャは確かに何かを確信していた。

「Aちゃんには感謝しなきゃね」
「さすが元メイドだ」
「うん」

他愛なんて無かった。

幸せの輪を広げ続ける二人は、いつしか世界中に愛を広げることになるのだ。

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