【aph合作】カークランド家のメイドやってます。7【しげの2号&さくら大福】

メイドさん。３５３【しげの2号】 ページ46

「ね？見えないものが見えたでしょ」


フランシスはアーニャに近寄り隣に立った。Aはフランシスを見ると首を傾げた。


「にーた、だれ？」

「フランシスお兄さんだよ。お兄さんって呼ん」

「髭で構わないよ」

「ひげ！」

「ちょ、ひど！？」


アーニャはクスクス笑った。こんな時間は初めてかもしれない。いや、久しぶりだ。幼い頃はナターリヤとウクライナとこうした時間を当たり前のように過ごしたものだ。


「見る景色によって、見える愛、感じる愛は変わってくるんだよ。きっと知らない間にその愛を手放していたんだよ、アーニャは」

「そうかもしれないね」


笑顔だったアーニャの顔は無の表情へと変わっていく。こんな純粋で可愛い子も、いずれはドロドロとした人間に変わっていく。事実、変わってしまったのだ。ここにいるAの未来は本当にドロドロしている。


「やっぱり愛って分からない。見る景色は必ずいつか暗くなってしまうから」


座り込みAの頭を撫でた。気持ちよさそうにする少女。そんな少女さえもドロドロとしたモノにしか見えなくなっていた。

メイドさん。354【さくら大福】→←メイドさん。352【さくら大福】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す