メイドさん。341【しげの2号】 ページ34
「よし……開けるぞ」
ノックもせずにアーニャの部屋の扉を開ける。椅子にもたれながら動かないアーニャと、ただ呆然と立ち尽くすブラウン・エアハート。ナターリヤはブラウンに駆け寄り尋ねた。
「姉さんは……アーニャ姉さんは!?」
「ご本人が望んだとおり、身代わりとなった。俺が起こすことも可能だがこればかりは……」
「アーニャちゃん……」
動かないアーニャの手にそっと触れるウクライナ。ナターリヤとウクライナは度々アーニャから相談を受けていた。アーニャが相談相手とする、数少ない存在だ。
「こんなに抱え込むなんてな……相当、寂しかったんだろ」
「姉さんはそうしないと生きていけないんだ。それ以外の生き方が分からないんだ。父親のアイツが、姉さんに感情の表し方を教えなかったんだ……ッ」
唇を噛み締めるナターリヤ。アーニャの父親はイヴァンの母親の兄。アーニャを産んだ実の母は父親のやり方に耐えれず離婚した。そのあとに父親が今の母親と結婚した。
「それより、色々ありがとうね。ブラウンちゃん」
「いや構いませんよ。アーニャさんには何かと親切にしていただいたもので」
「だがお前の組織は姉さんを捕まえた。殺そうとも企んだぞ」
「そりゃあ、組織には内緒でメモリーカードを渡したんですからね」
ブラウンは自らの意思でアーニャに従った。アーサーにチップを埋め込んだのも、アーニャが計画したのだ。
「娘たちはお前を嫌ってるぞ」
「構いませんよ。それにいい機会です。社会勉強にでもなるでしょう」
そう言うとブラウンは部屋を出て行った。
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*さくら大福*(プロフ) - Reiさん» コメントありがとうございます!訂正させていただきました!面白いですか…?さすがしげのさんですね(o^−^o)更新頑張ります!本当にありがとうございます! (2015年8月30日 15時) (レス) id: 9ef5974a12 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - *さくら大福*さん» いえいえww面白いので、もったいないと思っただけのことです。いつも楽しみにしております。更新頑張ってください! (2015年8月30日 15時) (レス) id: 26c2c278f5 (このIDを非表示/違反報告)
*さくら大福*(プロフ) - Reiさん» コメントありがとうございます!慣用句の使い方を間違ってましたね…ご指摘ありがとうございます!誤字までご丁寧に…!本当にありがとうございます! (2015年8月30日 15時) (レス) id: 9ef5974a12 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - 知りに敷く→尻に敷く。同様に340です。 (2015年8月30日 15時) (レス) id: 26c2c278f5 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - 追記:340のことです。 (2015年8月30日 15時) (レス) id: 26c2c278f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら大福 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年8月26日 22時