【aph合作】カークランド家のメイドやってます。7【しげの2号&さくら大福】

メイドさん。322【さくら大福】 ページ15

「…ここ、は」

闇にとろりと溶け込む声。
それは誰にも届かず、ただ溶け込むだけ。

見覚えのあるその景色は、Aの記憶を蘇らせた。

「…あ、りす」
「いつつ…ここどこだい！？」
「わぁ…怖いです」
「どこだよここ！？」

口々に不満を溢す三人。
そんな中、Aだけは口を接ぐんだままだった。

「アリスっ！！」

光の見える方へと走るA。
アリスが何なのか_それは、全く分からない。
ただ分かるのは、その言葉の暖かさ。

そして、悲しみ。

「A___！？」

そんなAを、皆が追いかける。

あのときから少し伸びたAの髪が、ひらひらとなにかを誘う。

ゴールは目の前だ。
___それでも、嬉しくないのは何故だろう。

「___良く来たわね」
「…本田さん…イヴァン__が二人？」

すると二人のイヴァンは眉を寄せた。
そしてにっこりと笑い、片方が『ヴァシリーだよ』と言った。

「…失礼しました。それで__貴女は？」

頭が割れるように痛い。
疑心暗鬼のこの空間は、張り詰めていて。

「…貴女はとても幸せそうね」


ツインテールの女の子は、憎しみを抱えた声でそう言った。

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