彼と私と日常と【白布賢二郎】 (ページ3)

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彼女についてページ3

「なぁ、太一。何で桜花は女子にモテてると思う？」

「魅力的だからじゃん？(適当)」

「だよな」

「は？」

俺の視線の先には仲のいい友人たちとお喋りをしている彼女の桜花が居る。

いつもゆるっとしていて、マイペースで好物を前にした時にはふわっと笑う可愛い印象が強い。

俺も初めて桜花を見た時は美人でキリッとした印象だったが、親しくなればなるほどその印象は薄れていく。

今では美人綺麗な顔にゆるっとした雰囲気で詐欺だなと思っている。

先日、クラスの女子達が「桜ノ宮さんがかっこよかった」だの「桜ノ宮さんは綺麗でイケメン」だの話していたのを思い出す。

そこで桜花を少し観察してみようと思い隣のクラスまでやってきた。
太一がこのクラスで良かったと心から思った瞬間だ。

観察していると彼女はおもむろに動き出し、黒板を消している少し身長の低めの女子に話しかけ手伝いだした。
2人で黒板の文字を消し終わるとその女子に何かを言い、ポンポンと頭を撫でて微笑む。
相手の女子はポーっとしてるからあれは落ちたなと確信した。

次に桜花は廊下の方をふっと見た瞬間慌てて扉から出ていった。
何だ？と思って暫くその方向を見ていると女子と一緒に次の授業に使うらしい物を持ってきた。
見るからに重そうなのでそれに気づき慌てて手伝いに行ったのだろう。
教壇に荷物を置いて一言二言女子と話して別れるとその女子が嬉しそうにしていた。

今度こそ友人たちの方に戻るかと思いきやその間に机の椅子に足を引っ掛けて転びそうになっている女子が居るではないか。
それに気づいた桜花はこの前俺がした時の様に間一髪で支えてあげていた。
その子に気をつけてね？みたいな事を言っている様だが、お前が言うなという感じである。
あの女子も落ちている様だ。赤面しながらも嬉しそうにしていた。

さり気ない優しさや行動が無自覚イケメンなのかもしれない。しかも、その後の微笑みに惹かれてる人も多そうだ。

そう考えていると、桜花がこちらを向き目が合った。

すると、ふわっと笑って手を振ってきた。

いや、やっぱりあいつはイケメンカッコイイ綺麗より可愛いと思う。