音に思いを乗せて。( 合従軍編 ) 《キングダム》 (ページ14)

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14 : 私の戦う意味ページ14

『思い出したくなくても、思い出してしまう程に
悲惨な光景だった』

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母も祖母も祖父も死に生き残ったのは父と兄、私そして妹だけだ
何の賊かは分からぬが、城を襲われ民も皆殺し。屋敷から外へ出る裏道を知っていた父とその近くにいた私たち兄弟のみが生き残ったという訳だ。
そんなことがあり、森に逃げ迷っていたとある夜

「A姉…助けて…」

『どうしたの里、奈…？』

妹の里奈の方を見てみれば、腕はちぎられ横腹は誰かに食われたようにぽっかり穴が空いていたのだ。助けてと訴え私に寄りかかる頃にはもう、息を引き取っていた。

そういえば兄の行方も分からない、里奈の来た方向へ私は走って向かう
草むらを掻き分けて見た光景はこれまた散々なものだった

「A……！！逃げろ…！！！」

父は獣のように兄を襲い、私はその光景を見ることしか出来なかった。
ただ兄の逃げろという一言に従って、走って、走って、森の中を更にさまよったのみ。

真夜中の森を彷徨って六日、食料や水も尽きいよいよ死ぬのかとそう覚悟して目を瞑った。

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『その時に今の義父に拾われたんだ。
……もう、16年も前の話だけど』

「なぜ、その暴走した父が生きているってわかったの？」

『理由は二つ
個人の範囲で私は色んな国に追っ手を送ってるの』

「……もう一つは」

後ろ髪を上げて、三人にそれを見せた。

『この体に刻まれた印だよ
これはその国の王族だという証。生まれて半年のうちにこの印を刻まれるの、私と父とでは柄が違うけれど、それをしっかり覚えているからね
これは背中まで続いてるの……………醜いでしょう？』

自分で言っておいて、何悲しくなってんだ馬鹿
静かに歯を食いしばった。

「そうは思わぬ」

『何を………』

「Aは不名誉なことなのだと思っているのだろうが、
俺にとってはAだと言う証でもある」

「俺もそう思うよ
例えそれがあったとしても、今までの対応から変えるなんてありえないしね」

『そっ、か………
ここの皮だけ削いでしまおうかとも思ったけど、やっぱり辞めておくよ』

「そっちのが問題じゃねぇか！？」

『あははっ
アンタらが友人で良かったよ』

それからは他の将軍の所へ行ったり四人で騒いだりと色々あり、結局その会場で四人とも寝落ちしてしまった。

この時間が続けばいいのにな