音に想いを乗せて。〈キングダム〉 (ページ10)

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07 : 音と想いページ10

『みんな〜！！いつものやるぞ〜！！！』

その声は自然と隊全体に響いた。
続々と天幕から兵が出て来る、その中には太鼓を持っている兵も少なくなかった。
流れ作業の用に着々と準備が進んでいった。
しばらくすると簡易的な舞台が完成し、その上には大小と問わないそれぞれの太鼓が置いてあった。何個か連結されているものがありその太鼓は中央に置かれ、その前にはAが立った。

信「何が始まんだ？どんどん人が集まってきてやがる！！」

賁「こんな短い時間も静かに待てないのか貴様は。」

信「ああ？うるせぇ！」

賁「煩いのはお前だろうが。馬鹿者」

信「今なんつった…？？」

信が今にでも王賁に切りかかりそうになった時、パンパンと手を叩く音が聞こえた。
すると、皆の視点が舞台の方に行く、風や声。全てが静まり無音になると笛の音が平原全体に響いた。そしてAが太鼓を一定のリズムでかなで始めた。

セイッ！！

そうAが掛け声をあげると他の兵達も太鼓をリズムに乗せて奏で始める。歌練隊は、一回一回の演奏に本気で心を向けるため、音や音に乗っている一人一人の気持ちがあるせいか中華一とも言っていい程の太鼓の実力の持ち主だった。

たんたかたんたか ……そんな音が段々小さくなり遂に奏でるのが一人だけになった。その時、Aのソロが始まった。一つ一つの音を丁寧に鳴らす、そしてその音には‘ あの人に想いを伝えたい ’という思いをのせて奏でていたことは当の本人しか知らない。全員が奏でる音楽とはまた違う迫力があり、感動する側近の兵も少なくなかった。

ソロが終わり段々とまた盛り上がりを見せ、ラスサビに。
一人一人違うリズムを奏でていたが、最後には皆がひとつのリズムで一斉に太鼓を鳴らす。

トントンタタンドン！

その音がひびき終わった時、
拍手と歓声が大きく上がった。想像以上にこの太鼓の音は広がったため、この平原近くに野営地を構えている隊の耳には完全に入っていた。そのため自分の隊以外の拍手や完成も入っていたらしい、
騒ぎすぎたかな？まあ、大丈夫そうだななんて思いながら声を上げた

『以上！！あとはゆっくり寝たり酒でも飲んで寛ぎな！』

そう言って三人の元へ向かった。

『は〜…やっぱ楽しい！！！！！
ね、ど？どうだった！？』

信「どうって……圧倒されすぎて言葉が出ねぇ……」

賁「今回ばかりは貴様と同じ意見だ。」

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作者の一言

どうやって蒙恬と絡みを作ろう……