音に想いを乗せて。〈キングダム〉 (ページ31)

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25 : 愛おしいページ31

王賁side

例の店に行きたいと言いAを誘った

『ね、ねぇ、さっきのって……』

先程抱き締めてしまったのはどうしても独り占めしたくなったから
彼女の言葉を返そうと思い何となくでこれを言った

賁「お前が想像してる通りだ」

すると彼女は何かを言ったように見えたがそれがなにかはわからなかった
だが、先程より軽い足取りで彼女は俺の手を握り店の説明をしてくれた

『ここで今王賁が着ている着物の絹を買ったりするんだ〜、』

賁「雰囲気がいい店だな」

そんな風に会話しながら足を進めていくと急に彼女が足を止めた、何かを見ているように見えたためそちらに視線を落とすと龍が掘られている腕輪があった
彼女はそれを手に取り腕に付けた、その腕輪と彼女の姿はとてもしっくり来て少し惚れ直してしまった

「おお！お客さんお目が高いですねぇ…
それはこのお店の中で1番良いものですよ〜！」

『ごめんなさい、買う予定も無いのに勝手に触ってしまって……』

どうしてもそれを付けていて欲しいと思ったのか、考えるより先に行動に出てしまった

賁「…これを買う、他に欲しい物はあるか？A」

『え、そんな……迷惑だよ』

賁「俺の勝手だ、気にするな」

『あ、ありがと』

「……なるほど、丁度いい！
その腕輪もう一つあります故それもおまけとしてつけておきますね」

店員が何かを察したのかもう一つ同じ物をおまけしてくれた、感謝を述べて支払いを済まし品を彼女に渡した。
かちゃかちゃと丁寧にその腕輪をはめる
やはり似合っていると改めて思ったその時
右手につけていた腕輪を外して俺の右腕に彼女が付けた

『お守り…みたいな』

賁「大切にする」

恥ずかしそうにそう述べる彼女はとても愛おしく感じる同時に、自分のものにしたい、相手に渡したくないという気持ちが芽生えた

楽しそうに足を進める背を見てやはり
俺はAが好きだと改めて自覚した＿＿＿。