"ただの"夫婦 ページ9
肩を軽く押されて私は身を引いた。
お互いやけに身体を熱くして深く唇を触れさせていた。私を自分から離したかと思えば反対の腕で紅くなった顔を覆っていた。てっきりノリ気で無いと言われるのかと思ったが恥ずかしがっているだけか。そう考え再び顔を近付ける。
「今日は、止めないか」
「明日、久々に2人とも休みなのに?」
「だからだ。2人でゆっくりしたい……」
羞恥の表情で私を覗き込むように目線を合わせてくる彼にくらりと揺れる。それを誤魔化すように彼の胸元まで上がった少し厚めの生地を下へと下ろしてやった。彼の上から退いて顔を両手で覆う、予想以上に熱が集まってしまっている。
ゆっくりと身体を起こした彼は私の顔を見ると愛しそうに頬を緩めた。そんな表情から逃げるように腰を上げてリビングに出ようと少し冷たい床の上を歩いた。まだ内から引かない熱は抑えようとしている気持ちを更に昂らせようとしてくる。
「……怒ったか」
「生殺し状態で気分は良くないな」
少し胸元の開いたトレーナーを着る天哉の首筋には紅い痕が見える。視線を逸らして冷蔵庫に入る缶を2本手にしてベランダに向かおうとする。じとっとした目線をくれる天哉に手の内の1本を押し付けて接吻をする。
高校時よりも広まった身長差を埋めるようにした背伸びで楽々と柔らかな感触を味わうことが出来た。身体を重ねるよりも遥かに数を重ねたであろう接吻にも未だに顔を紅くする。こんな表情も私だけのものだと思うと気持ちが昂る。
「少しくらい良いだろ?それに冷まさないと……天哉の事、多分襲う」
「……僕は男だぞ」
「さっきまで組み敷かれてた奴の台詞じゃないな」
更に顔が紅く染まり湯気でも出るんじゃないかと思う程に熱を持った天哉。好きで組み敷かれてるんじゃない等と小さく声を紡ぐ彼に笑みが溢れる。満更でも無いくせに此方が煽るように言葉にすれば必死に言葉を返してくる。そんな彼が可愛くて仕方ないのだ。
ベランダへの窓を開けると内の熱を冷ますように風が部屋へ入り込んでくる。点々と夜空に散る明るい星を一瞥して街の風景を視界へ入れた。少し前の時間まで遠くの方で煌々と輝いていたオフィス街も闇に染まり数時間前の喧騒は嘘のように静まり返っていた。
「あ、彼処電気ついてる……盛ってんなぁ」
「市民でそういう事を考えるな」
「戦闘服脱げば私らも一市民だっつの」
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めめ - グッｯｯｯｴﾛｲ…最高です。これからも鼻血を出しながら応援してます。 (2020年5月12日 1時) (
レス) id: b778857664 (このIDを非表示/違反報告)
はなぢ(プロフ) - 飯田くんと浦埜さんのカップルめちゃくちゃ素敵です…!!!二人とも生き生きしてて、なんだか本当にが居るみたいでシリーズ一気に読んでしまいました!!!!!!大好きです!!!続きを楽しみにしています!!!!!! (2019年7月11日 4時) (レス) id: 1b42be763c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バーコード | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sakur01
作成日時：2019年4月25日 23時
