if：天使 ページ2
浦埜君に羽が生えた。
とても小さく気付くことは難しいだろうが彼女が風呂に入っている時、自分自身で気付けたそうだ。神経が繋がっているらしくつつくと浦埜君が擽ったそうに身を縮める。
「コレ何だろうね。命に関わったりするんじゃないか」
「うん、君はなんでそんな怖いこと言うのかな?それにお前が死ぬまで私は死なねー」
「じゃあ、一生死なないね」
「幸せな暮らしか」
深く考え始めようとした彼女の頭を軽く小突く。楽しそうに笑う彼女の為に幸せな暮らしを作り上げていくしかないんだろう。問題なのは僕じゃなくて彼女次第なところもあるけれど。
最近、浦埜君が痩せて細くなってきている気がする。食事はいつも通り過労でもない。唯一変わったのは羽の大きさだろうか。服も入らなくなっていて僕に謝りながら裁縫を頼むようになっていた。
お義母様曰く大きい怪我をしたことを此方が気付くまで隠すような子だったとか。未だにその癖は抜けていないようで、彼女の机の引き出しから病院からの封筒が仕舞われていた。やはり彼女の羽は病気だったのか。
問い詰めてやらないと。
「ただいまぁ……ふぃ〜疲れたよぉ」
「浦埜君」
「ん〜?あぁ、ごめんって。隠してたことは謝るよ」
「……ｯ君はそうやって!僕から目を逸らして逃げないでくれ!!」
僕の横を通り抜けようとする彼女の肩を掴む。ふわりと憎たらしく、それ以上に美しい大きな白い羽が揺れた。彼女が病原も分からずにただ病に蝕まれていた事を知らなかった。
それが嫌で堪らない。
「敵の個性、最近便利だよな。一振とかワンタッチで人の命奪えるんだよぉ……怖い怖い」
おちゃらけたように言葉を零す彼女の背中に生えた羽を掴む。痛みに顔を歪める姿を見て、もう既に彼女の1部であることを改めて自覚させられる。
「千切れないかな」
「さっきから怖いって!!何!?殺したいの!?」
「……だって」
＿治す方法が無いなんて、可笑しいだろう＿
「敵と一緒に個性の効果も亡くせれば良いのにね」
明るく笑う浦埜君。その笑顔も近くに無くなる。これから彼女が亡くなることを恐れながら過ごさなければいけない。幸せにすると誓った未来は美しい羽で飲み込まれ、暗く閉ざされてしまう。
「余生楽しんじゃう」
「……ずっと側に居るよ」
「……悪ぃな」
細くなった彼女の腕を引いて唇を重ねる。
細くても柔い彼女の唇の感覚に涙が零れた。
「側に、居てよ……」
僕のお願いに彼女は頷かずに微笑んだ。
「天哉……好きだよ」
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めめ - グッｯｯｯｴﾛｲ…最高です。これからも鼻血を出しながら応援してます。 (2020年5月12日 1時) (
レス) id: b778857664 (このIDを非表示/違反報告)
はなぢ(プロフ) - 飯田くんと浦埜さんのカップルめちゃくちゃ素敵です…!!!二人とも生き生きしてて、なんだか本当にが居るみたいでシリーズ一気に読んでしまいました!!!!!!大好きです!!!続きを楽しみにしています!!!!!! (2019年7月11日 4時) (レス) id: 1b42be763c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バーコード | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sakur01
作成日時：2019年4月25日 23時
