きっかけの裏側 ページ1
本日、雄英で体育祭が行われる。
非常に面食いで眼鏡男子が好きな私、浦埜Aはこれからナンパしようと思っております。昨年に目を付けた飯田天哉君はとても真面目で、あのインゲニウムの弟さん。
けれど昨年の体育祭から約一年が経っている。追っ掛けているうちに、玉の輿に乗ろうと思っていたものは、ガチ恋へと変わってしまっていた。自分の為なら何でもする。
「性格悪い顔してるぞ」
「真堂さんだけにッは……ッぶな!そゆトコ!!」
足を引っ掛けたというのに素知らぬ顔で先を歩く真堂さん。爽やかイケメンの内面を知ったら、うちの普通科の子達は残念がるだろうな。そういう系の男子が好きな子も居るだろうけど。
方法は取り敢えず変装して飯田君に近付く、彼はハンカチを持っているだろうからそれにクリップを付ける。それから変装はといて飯田君を見付け次第、個性を使ってハンカチごとクリップを引き寄せる。
「ハンカチ落としたよ」ってふわっと笑う作戦。
それでこの子可愛い!!なんてならないだろうけど、優しい印象は残るはずだ。この男みたいな見てくれでふわっと微笑んでみろ、あらやだイケメンと思うのは普通。同級生に試したから確実。
「待ってろよ、飯田君」
「飯田君も可哀想だね」
相変わらず無表情の先輩にニコニコと笑いかける。横目で私を見た後、直ぐに元に戻る彼の視線。何気に私のこと後輩として好きだよね。前に私も好きですよって言ったら「もって何?」だってさ。真堂さん、照れ隠し乙です。
それから時間はあっという間に過ぎて行った。爆発頭と頭がめでたい色の野郎にバレそうになったけど。まぁ、今のところ上手くいってる。あとは飯田天哉君のハンカチを個性で引っ張る。
「あの、ハンカチ落としましたよ」
「……ありがとうございます」
ほんの少しだけ間が空いていたような気がする。うん、私も落し物拾った人の顔見ちゃうタイプ。大きく頭を下げた彼に驚いてしまう。頭を下げるのは想定内なのだが……最敬礼は流石に驚く。
ハンカチ拾っただけだよ?もう言ったら必然的だからね、起こるべくして起こったんだよ。貴方のハンカチを落としたのは私です。膨れ上がった罪悪感が破裂してしまいそうだ。人前で土下座は出来ないから頭上げてください。
一通り話を終えて去ろうとする彼を引き止める。
焦って出した携帯は何故か熱い。
「しましょう!お話!何時でも御相談下さいね!!」
「ッはい!宜しくお願いします!!」
朱くなった頬を隠す程余裕はなかった。
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めめ - グッッッッエロイ…最高です。これからも鼻血を出しながら応援してます。 (2020年5月12日 1時) (レス) id: b778857664 (このIDを非表示/違反報告)
はなぢ(プロフ) - 飯田くんと浦埜さんのカップルめちゃくちゃ素敵です…!!!二人とも生き生きしてて、なんだか本当にが居るみたいでシリーズ一気に読んでしまいました!!!!!!大好きです!!!続きを楽しみにしています!!!!!! (2019年7月11日 4時) (レス) id: 1b42be763c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バーコード | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=sakur01
作成日時:2019年4月25日 23時