好きな人の好きな人 (ページ6)

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「今回の実行委員長はAにやってもらうわ」

村上先輩の思いがけない発表。
まさかそんなはずないし、だとしても断ろうと思ったのに、生徒会室の空気は断れるような空気じゃない。

「で、クラス間の調整は…」

そのあとも淡々と役割分担が発表されていく。

はぁ…委員長か…

何すればいいかなんて全然わかんないし

「じゃあ今日はこれで解散！これから忙しくなるでー」

先輩の解散！のひとことでみんな生徒会室をあとにする。

「あ、せや。Aはちょっと残ってて？」

「あ、はい…。」

そう言うと先輩は隣の部屋に何かを取りに行った。

「…で、これなんやけど」

目の前にどんと積まれたのは今までの学校祭の資料。

クラスごとの出し物の決まりしかり、垂れ幕やらなんやらのことしかり。

「まぁ、やることは多いし、大変やと思うけどオレもサポートはするから」

「あ、ありがとうございます…」

よかった、先輩がサポートはしてくれるのね。
正直マニュアルとかがあったとしても1人でなんて到底ムリ。

でも、先輩と一緒にいる時間はその分長くなるわけで。

でも、先輩に思いを伝えるなんて私にはできない。
だってお付き合いしてる人がいるの知ってるし。

だったらそんなこと考えられなくなるくらい忙しい方がいい。

大丈夫、それだけ忙しくしてほかのこと考える余裕がなくなれば、わざわざ自分の気持ちを押し殺すことだってしなくていいかもしれない。

そしてそのまま、先輩のことが好きだってことだって忘れちゃえばいいんだ。

そしてただの先輩と後輩の関係って思えるようになればいいんだ。