しゃくまのおひるねじかんっ！にぃっ！

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風「あ、そう言えば、お伝えしようと思ってたことが」




三人を見送った風花さんが振り返る。





風「ぽつぽつですけど、さくまが

　鈴掛さんの様子がおかしくなった時のことを

　話してくれて」



照「本当ですか？」



風「はい、それが定期検診が終わった後

　他のセラピーキッズと

　鈴掛さんが出会ってから、様子がおかしくなった、と」



照「ほかの子？

　なんか、いざこざがあったとか」



風「いえ、その子は鈴掛さんの様子がおかしくなってから

　すぐ、モニターの方に連れられて去ったそうです。

　紹介しただけで、モニターさんと揉めた形跡もなくて」



照「その子は、その……いい子なんすか？」



風「もちろん、ただ……。

　いや、今別件でその子に関わっていますが

　他人を傷つけるような子ではないんです」




照「じゃあ、どうして、」







初めて会ったセラピーキッズとA



何も関係なさそうなのに




照「さくまの友達なんですか？」


風「いや、さくまも初めて会ったらしくて。

　でも、少し話しただけでおともだちになったみたいです。

　あべりょうへい、っていう一個下の子なんですけど」



照「え、あべりょうへい……？」









―阿部さんを、3年前ここで看取った―




―亮平、―








嘘だろ、


そんな、偶然みたいなこと





まさか。







風「岩本さん？」



照「あ、いや。なんでも」







多分、原因は分かった。


でもそれはもう今更どうしようもないし

最悪の偶然だったとしか言いようがなくて


憶えていないAに伝えても、いいことは何もないだろう






照「あの、ありがとうございました。

　なんか色々分かった気がします」




風「そうですか……、あ、あの。

　お願い事がありまして」




照「なんすか？」



風「はむたを、貸していただけないかなと。

　さくまが、大事にしてるぬいぐるみらしくて」





はむた……、あ、アイツか。





照「Aのですけど、こっそり持ってきますよ(笑)」



風「ありがとうございます。

　少しはさくまの気持ちが落ち着くといいんですけど」





「はむた、よろしくお願いします」って頭を下げて

風花さんは帰っていった。



病室に戻ったら、Aはのんびり昼寝してて







照「……ケーキ、全部食べやがった」




こつん、と頭を叩いて座り込む。



阿部亮平、どんなヤツなの？


今でも忘れられないようなヤツなのか

〜作者より、ご挨拶とお礼〜→←・

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