・だめだめのはなし ページ39
・
「あっ、いや……ひ、照くっ……」
照「こら、……我慢して」
「も、むりぃ……」
ちらっ
さ「……A？」
「さ、さくまっ！み、ないでぇ……あぁっ！」
照「さくま、向こういってな。
お前も、見たくないだろ？」
さ「でも……、」
「あぁっ！」
・
・
照「こんな気絶しかけながら半泣きでマッサージされてる
Aなんか、見ちゃダメ。
絶対、夜、こわいゆめになって出てくるから」
さ「……(こくん)」
「いやあぁぁああぁぁ！やめてぇ！！」
照「え、なにここ。
信じらんねえ、岩でも入ってる？」
ぐりっ
「にぎゃああぁあぁぁ！しぬっ、ムリムリムリ！！」
しばらく家に来なかったから
すっかり忘れてた。
この筋肉編集野郎は自分の趣味と仕事を混同して
度々、こんな悪魔のような所業に出る。
今日も今日とて、
コラムを書き終えて伸びをしてたら
「お疲れ様、肩凝ったろ？」って笑顔で言ってきて
手を引かれた時には、既に時遅しだったと……
照「あのさぁ、マジで
肩は岩盤みたいだし、腰かったいし
なにこの血流の悪いふくらはぎ。
女の子は基礎体温下がるとからだに悪いって
俺、いつも言ってるよな」
「はいっ！はいはい、そーですねっ！」
照「仕事柄パソコン作業が多いのはさ、
俺だって分かってるけど。
例えば、1日10時間パソコンしたら、
しっかり体を伸ばすことって教えたよな？
ちゃんとやってた？」
「はひっ、そりゃぁもぉ……」
照「……、さくま？」
ギグッ
さ「にゃにぃ？」
照「A、ひかるおにいちゃんがおしえた
ストレッチしてた？」
さ「……(ちらっ)」
「(がたがたぶるぶる、だめだめだめだめ)」
照「あ、ここも押しとこ」
ゴリッ
「あ、……(沈黙)」
照「んで、さくま。どうなの？
ちゃんと教えてくれなきゃ、
Aもっとお痛しちゃうからさぁ」
さ「……して、にゃい、でしゅ、」
……この悪魔がぁ！！！！！
さくまの素直な心を逆手に取りやがって！
照「へぇ……」
「……(ちらっ)」
照「……(にこっ)」
「は、ははは……」
終わった。
ごめん、さくま。今日でお別れだわ。
うわぁ、怖い怖い怖い
肩回し始めた、
もうダメ、無理、
痛すぎて逝っちゃ、
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作者名：さくまり
| 作成日時：2020年9月16日 4時
