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なんでか、バチバチに髪の毛をセットしてるさくまと
その横で試合前に精神統一してる選手みたいに
微動だにしない照君。
後から入ってきたノエル君も
「え、なんか、ありました？」って困り切った顔してる。
「あのぉ……、岩本君？」
照「……」
あ、ダメだ。全然答えてくれない。
追い出したの根に持ってるのかな？
微妙に張り詰めた緊張感、何だこれ。
ノエル君と2人、「えぇー…」って顔を見合わせてたら
さ「A……、しゃん、」
すちゃっ
なんか男前になったさくまが
床に膝をついて、私をみあげる。
さ「しゃくまとっ、けっこんしてくだしゃいっ！」
「……はっ！？」
まてまてまてまて、何がどーなってこーなってるの
仕込んだ張本人であろう照は
張り詰めた顔して黙りこくってるし！
「あのぉ……、さく、ま？」
さ「およめより、だいじにしゅるもん！」
「いや、まぁ、うれしいけどさぁ、」
結婚したら私も「およめ」なんだけどな
って、そうじゃなくて、
「なんで、結婚？」
結婚式でもみたかな？
なんて邪推してたら、
さくまは、かなしそうにしょんぼり顔をうつむかせた。
さ「しゃくま、A、だいしゅき。
A、まもるの。わるーいやつから。
おうじしゃまに、なりたい、から……っ」
グスッ、グスッとなる鼻が少しずつ赤くなって
でも、キミにはどうやらいちだいじみたいで。
ねぇ、私にも教えてよ。
何が、キミをおとこのこにしちゃったの？
不安なことは、なくしてあげるから
「わるいやつから守ってくれるの？」
さ「(こくこく)」
「わるいやつって？怪獣？おばけ？」
さ「じぃー……(うるうる)」
さくまの潤んだおめめがにらみつける先、
ぴ、ぴ、ぴ、ぴ
川「……俺！？」
「……くはっ(笑)」
なるほど、そういうことか(笑)
あっさり謎解きがすんでしまえば、
後はもう笑うしかない(笑)
「さくま(笑)？
つまり、さくまはあのお兄ちゃんが、
私を取っちゃうと思ったんだ？」
さ「……(こくん)」
そっか、めちゃくちゃ真剣に悩んでくれたのか
大人の回りくどいやりとりも、
キミには一本のやじるしにしか見えなかったんだろう？
「そっかぁ……、さくまは名探偵だね(笑)」
あぁ、もう、大人なのが恥ずかしくなっちゃうよ
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作者名：さくまり
| 作成日時：2020年9月16日 4時
