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・おうじさまのはなし ページ26






司『ゲストの鈴掛A先生でした、

 大きな拍手でお送りください!』



「あぁ、どうも。ありがとーございました」




会場のあたたかい拍手に見送られて、

ステージ袖に降りる。



運営の人と話してたノエル君は、


私をチラッと見たら、グッと指を立てて微笑んだ。





どうやらこうやら、変なことは言ってないみたい





まずはそれにほっと一安心。





履きなれないパンプスでかたこと通路を歩いてたら、





川「お疲れさまでした、はい、これ」


「あぁ、ありがと」





私が抹茶オレ好きなの覚えてたんだ



さすがの細やかな気遣いにクスっと笑えた。







川「やっぱり中高生も多かったですね、

 『きみこい。』とか『ぼくらの青春サンカ!』とか

 代表作が学園ものだからでしょうか」



「ところがそれだけじゃないらしい、

 質問コーナーで中学生くらいの女の子に

 『偽善論』について聞かれた時は、くらっときたもの(笑)」





あんなの、子どもが読む作品じゃないって。


人生半分、生きづらくなるから(苦笑)





あの時を思い出して苦笑いしてたら、









川「それに、やっぱり聞かれてましたね。

 あの作品のこと、」






少しだけ声を潜めたノエル君が

チラッと私を見やる。






まぁ、……覚悟はしてたよ?






だから、断らなかったんだし






「まぁ、回答のままですよ。

 『今は書けない。いつ書けるのか、それは私にも分からない』

 ……小説家失格かしら(苦笑)」






編集長様に聞かれたら、また怒られちゃうかな?


おどけて笑った私を見て、




ノエル君は綺麗な顔を少しだけ歪める。






川「……岩本先輩もそうですけど、

 僕も、先生のファンなので

 あんまり強くは言いませんけど……」






そこで言葉を止めて、ノエル君は微笑む。





本当に、貴方は優しい


自分の気持ちは、相手の気持ちの後回しで



そういうところが、少し、怖かったりするって



内緒で思ってたりする。







「……ノエル君、次の休みいつ?」



川「え、明後日ですけど、」



「そう。……しっかり息抜きしてね」



川「え、今の間は絶対ご飯に誘う流れじゃないんですか(笑)」



「何言ってるのよ、子持ちに手を出すつもり?」





「いやぁーん」ってふざけながら


楽屋の扉を開けた先、









さ「……(きりっ)」



照「……(びしっ)」






え、と、



……、これは、いったいナニゴトかしら?

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作者名:さくまり | 作成日時:2020年9月16日 4時

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