しゃくまのおひるねじかんっ！ (ページ23)

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・おでかけのはなしページ23

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「ったく、子ども向けイベントなんて

　エプロン着て、

　くまのワッペンつけとけばいいんじゃないの？」

照「子どもなめんなって。

　憧れの先生が幼稚園の先生ルックで出てきたら

　初めての挫折になるかもしんねぇじゃん」

「はぁ、そんなものかしら。

　……にしても、慣れないもんだねぇ」

綺麗なオネーさんに髪をくいくい引っ張られながら

鏡の中の私は、仏頂面してて

慣れない化粧は、そんなのおかまいなしに

どんどん余所行き用の顔を形成していく。

いやね、常日頃(主に照君だけ)から

「化粧すればかわいい」とお世辞には言ってもらいますよ？

でも、誰にも会わない仕事してんのに

メークなんかするはずがない。

なんなら大学の頃から寝坊してすっぴんで学校に行ってたし。

さ「A、だいじょーぶ？」

「ん？大丈夫よさくま。

　ちょーっといやいやしてるだけだから」

鏡越しに手を振ってあげたら、

こちらも少しだけかわいいお洋服を着たさくまが

こてん、と首をかしげる。

さ「A、しゃくまのおよめみたい……」

「えぇ(笑)？どのおヨメさん？

　こんな子いたかぁ？」

さくまのおよめと言ったら

まぁ揃いも揃って美人だし、

その上、化け物みたいにスタイルがいい。

いくら化粧しても、推定Fカップにはなる訳ないんだけど(笑)

さ「だって、Aかあいいよ？」

「ふふっ、ありがと」

照「え、さくま。ひかるおにいちゃんは？

　ひかるおにいちゃんには、なんかない？」

ガバッと抱きあげた腕の中で、さくまがきゃっきゃはしゃいでる。

ったく、必死すぎでしょうが

さ「ひかりゅー？

　うぅ……、たかいたかいしてくれりゅからすきぃー！」

照「そうかぁ(笑)

　よーしじゃあたかいたかーい！」

さ「にゃははっ！！きゃぁー！」

……さくまって、

照の事完全に転がしてるような気がするの、気のせい？

齢片手の小悪魔に目を細めながら

完成したらしいメークは、

まぁ、自分で見てもいい感じで

現金なことに、多少はテンションも上がる。

照「お、いいじゃん。かわいい」

さくまを肩車しながら近づいてくる照君

あの、一応仕事なんだよね？

さくまと遊びに来た訳ではないのよね？

トントン

川「鈴掛先生、入りますね！」

爽やかな声が聞こえて開いた扉。

あら、どうして？