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高校時代、何気なく書いた文章が目に留まり小説家としてデビューすることになった。
そこからとんとん拍子に事は進み、若干１９歳ながら【紀藤 さくら】として一躍有名小説家として脚光を浴びている。
そんな私は、今とんでもなくでかい、いわゆる高層マンションというやつの前に唖然としている。
数日前、私を見つけ出してくれた編集者の三浦さんから提案された
「そろそろ、上京してきませんか？先生の作品の幅も広がるだろうし、なにより先生もこっちきたいでしょ？」
三浦さんは実に私を理解してくれている
田舎でもなく都会でもない私の実家
住むぶんには申し分ない、ただ刺激としては今一つだ
そして私の趣味にも優しくない
私の趣味は来るべき時に話すとして、東京タワー何個分ですかと聞きたくなるような建物を処理しよう。
三浦さんが手配してくれた家のはずなのだが…でかすぎる、いくらなんでも、芸能人の家って感じだ
「先生！こっちです！」
三浦さんが腕を大きく振って高層マンションのエントランスから顔を出した。
「三浦さん、いくら何でもこのマンションは、でかすぎるし、到底私には…」
「先生、ここはうちの出版社の持ち物なので大丈夫ですよ！先生が次の連載をうちでしてくれるなら」
ニヤニヤしてる三浦さん
やっぱりそういうことか
「はぁ…こんなことだと思いましたよ、わかりました、連載やらせていただきます」
三浦さん大喜び
エントランスには２４時間コンシェルジュ在中、ジムにパーティースペース、私には縁のなかったものばかり
そして、１フロアに足して部屋は２部屋
カードキーをかざすと自分の居住フロアにのみ止まる
セキュリティ厳重マンション、芸能人って感じだ
「先生、荷物とかはもう中に入れてありますし、今日はゆっくり休んでください。明日また伺いますので」
三浦さんは私に買ってきてくれた夜ご飯と鍵を手渡して帰っていった
私はこの厳重マンションのまずエレベーター突破から
センサーにキーをかざし乗り込む
「っすいません！」
閉まりかけてたドアに手を当てすごい勢いで人が乗り込んできた
「すいません、ちょうど乗れそうだったから…」
男性は息を切らせて私に謝る
彼の声はとても耳に響くきれいな声
なんとなく聞いたことがある、好きな声
「いえ、私こそ閉めてしまってごめんなさい。」
私が誤ると彼はつけていたサングラスをはずした…
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作者名：sakura | 作成日時：2019年5月13日 1時
