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2. 不可解なる、 ページ11

どこかグラグラとする頭を押さえ、ベッドから起き上がった。

設定した時間前に起きたため、その役目を果たすことができなかった目覚ましを止める。

「……」

顔を洗い、鏡を見ると目元が酷く腫れている自分の顔が映った。

昨日散々泣いたせいだろう。

肌が白いこともあって、余計にそこが赤く見えた。

この後は幹部全員で食堂で朝食をとることになっている。

行かないと言うにしても誰かと顔を合わせることになるだろうし、余計な詮索をされたら面倒だ。

いつだったか本で読んだ知識からホットタオルを目に当てる。

その温かさはどこか落ち着くもので、寂しさがこみ上げてくる。

「…っ……」

またほろほろと流れ出した涙に、ホットタオルの上から手で覆う。

「…っはぁ…」

しばらくして、止まった涙にホットタオルをよけた。

再び鏡を見ると、泣いてしまったにしては腫れは少し治っていた。

ぼんやりとして、少しくらくらする頭でも体は動いてくれるようで、パジャマからシャツに着替える。

ベストを着て、緑のネクタイを締めた。

少し目が据わっていること以外はいつもの私だ。

そのまま食堂に向かえば、今日は四人座っていた。

三強とショッピさん。

本日のご飯当番であるひとらんらんさんもキッチンにいるのだろう。

かすかに音が聞こえた。

その後人が集まっていき、最後に鬱先生が滑り込むと全員で食事に手を合わせた。

『いただきます』

ひとらんらんさんの故郷である東の国の言葉だそうで、食材の感謝などを含めたその言葉はグルッペンさんがいたく気に入り採用したらしい。

我々軍内ではもうすっかり当たり前になっている。

食事が始まると、暴れまではしないものの、様々な会話が飛び交い騒がしい。

私は静かに食べる派なので会話には混ざらず、おにぎりを口に運んだ。

「なあ、エミさん」

「はい?」

珍しくシャオロンさんが話しかけてきたので素っ頓狂な声が出た。

シャオロンさんはなぜかこちらを見ているゾムさんと顔を見合わせると、口を開いた。

「エミさんってAと知り合ったことある?」

「…いえ、ありませんが」

声は震えていなかっただろうか。

もちろん知り合ったことはある。というか恋人だし。

しかしAはそれを覚えていない。

ならば実質知り合ったことはないということだ。

悲しながら嘘ではない。

「ええ…そうなん?ちなみに自己紹介はしとらんのやろ?」

「はい…」

ゾムさんからの質問に、何か感じつつも答えた。

2. 小さな窓から溢れるそれは、→←2. 心縛られる囚人に、



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nomisan - いやー、ありがとうございます!このラストのおかげで私の検索履歴はだいぶロマンチックなことになりました…。これからももうしばらくお願いいたします! (2019年10月13日 21時) (レス) id: ec834518e3 (このIDを非表示/違反報告)
背教者Ζ(プロフ) - 本編完結おめでとうございます! どっちのエンドも良かったですが、自分の好みは二番目のラストですね。婉曲な愛の言葉が刺さりました… α、βも説明一行だけでご飯三杯はいけますね( ˙-˙ ) 番外編も楽しみにしてます! 無理のない程度で頑張ってください(矛盾) (2019年10月13日 0時) (レス) id: 03d3cf7e0f (このIDを非表示/違反報告)
nomisan - ありがとうございます…!個人的になかなか考えたシーンなのでそう言っていただけると嬉しいです…! (2019年9月14日 23時) (レス) id: ec834518e3 (このIDを非表示/違反報告)
背教者Ζ(プロフ) - 日記から思い出すシーンの表現力高すぎませんか……すごく引き込まれるというか、心境の揺らぎの鮮やかさというか。応援してます。 (2019年9月14日 10時) (レス) id: 03d3cf7e0f (このIDを非表示/違反報告)
nomisan - ありがとうございます。コメントでどれだけ救われるか…。しっかりと完結まで頑張りたいと思います。 (2019年9月9日 14時) (レス) id: ec834518e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nomisan | 作成日時:2019年8月26日 22時

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