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サ「んー！楽しかったね」
覚束ない気持ちで音声ガイドを返したら
サクマさんは大きく伸びをしながらにっこり振り返った。
サ「Aちゃんは、楽しめた？」
「っ、」
また、
そうやって首を傾げながら微笑むから
私は恥ずかしくて目を逸らしてしまう。
私が絵を見てる間
サクマさんはずっと、手を繋いだままで
絵に集中しだしたら気配がなくなるのに
ふとした瞬間に、
「これ、いいね」とか
「俺、この絵好き」って囁く声が、いちいち心を苦しくして
隣を見るたびに
「どうした？」って
私を見て、緩やかに微笑む横顔がくすぐったくて
絵を見るドキドキと
サクマさんといるドキドキが溶けあって
身体中がふわふわした。
「楽しかった、です」
サ「そ？ならよかったぁ」
エントランスにのんびり歩いていくサクマさんの背中を
見つめながら
きゅ、とする胸を1人、押さえる。
あぁ、これ。久しぶりの感覚だ
もう少しだけ一緒にいたいだなんて
離れていく背中にかける言葉が見つからなくて
俯いたら、
手元にあったのは使い終わった入館チケット
特別展の反対側にはもう一枚、別の半券がついていて
「『佐倉幸之介特別展―早逝の天才に想いを馳せて―』……」
初めて聞いた名前
だけど、また展示室に入ったら
手を繋いでくれるのかな。
そんな邪な気持ちが胸をよぎった、
サ「この人の絵、見たいの？」
「え、あ、」
いつの間にか目が合うようにしゃがみこんでたサクマさんの
柔らかい前髪が揺れる。
サ「ん？」
「その、えっと……」
言え、頑張って。
このまま言えなかったら、
サ「まだ、俺と一緒にいたい」
「え、」
耳元を掠めた甘い吐息に、身体が固まった。
サ「……、なんて(笑)
思ってくれたら、サクマは嬉しいんだけど？」
「くふふっ♪」って楽しそうに笑って
サクマさんが廊下を走って行く。
ズルいよ
唇に力が入ったら、
身体は自然と走り出して
ついっ
先を行くサクマさんの白いシャツを掴んだ。
「……もっと、いたいです。
サクマさんと。
2人で」
サ「……」
返事がない顔を、勇気を出して見上げてみる。
黄昏の光に照らされた頬が、桜色に染まっていた。
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ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様、こんにちは！3人とも好きでいてくださり嬉しいです。ありがとうございます！癒しになったとの事で、そう言ってもらえるこちらこそそのコメントに癒されました。それぞれ作品作り頑張りますね！本当にありがとうございました。 (2021年2月7日 12時) (
レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
さくまり(プロフ) - ちょなさん» ちょなさん、ありがとうございます！『午後３時、〜』を描いたさくまりです。そうですね、芸術という浮遊感のある題材がうまく融合した結果かなと思ったりしてます(笑)他にも非現実的なサクマさんを個人的によく描くのでよかったら遊びにいらしてください。 (2021年2月7日 12時) (レス) id: fd6b65100e (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 御三方のファンなので、この作品と企画に心躍って日々の癒やしになりました！儚い中に身体が熱くなる瞬間が散りばめられてるので幸せになりました。個々の作品もこれからも楽しみにしてます☆ (2021年2月7日 11時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ちょな(プロフ) - さくま担ではないのですが、お話を読むともっともっとさくまが好きになりました。全部大好きな作品なのですが、特に午後3時〜は非現実的なお話ですが話に入り込みすぎてしまい最後には涙が出てきてしまうほどでした…笑 (2021年2月7日 10時) (レス) id: c0ece75cb2 (このIDを非表示/違反報告)
さくまり(プロフ) - Ricoさん» Ricoさんこんばんは、こちらの作品にもいらしてくださってありがとうございます！即読み感謝です。喜んでいただけたみたいで私も嬉しい…、またやりたいなぁとは私も思っているので、その時は遊びにいらしてください。桜のサクマさんもいつでも待ってます。 (2021年2月7日 0時) (レス) id: 9bcf79dd74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐久間愛で隊☆ x他3人 | 作成日時：2020年10月14日 13時
