ゆきだるまと僕 (ページ36)

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佐久間side

照と喧嘩をして、やるせない気持ちになっていつも通ってるところへ来た。

「あれ、佐久間くんいらっしゃい。」

なんて声を掛けてくれたのはこのアニメグッズ店の店長だ。

俺が何度も足を運んでるからか話し掛けてくれて仲良くなった。

「ちわーっす。新しいグッズ入った？嫁とか。」

「いつもの新作コーナーのところに設置してるよ。よかったら見てって。」

といつも通りの会話をして新作コーナーへと足を運ぶ。

「あー！！プレミアあんじゃん！やった！」

俺の大好きなアニメの中に出てくる嫁の新作が出ていた。

プレミアものだったがまさかこの店が仕入れてるとは知らなくて思わず興奮してしまったのだ。

「店長！このプレミア、いくら！」

「興奮しすぎでしょ笑これ確か3万くらいじゃない？調べてくるよ。」

そう言って店長が奥まで行った。
その間に俺は新作コーナーや既存コーナーで商品の物色をしていた。

「佐久間くん！！」

聞き馴染みのある声が聞こえて、声の方を見ると先程の照との喧嘩で巻き込んでしまいしかも泣かせてしまったラウールがいた。

「ラウ…ル…。」

「探したよ、佐久間くん。」

「どうしてここが？」

「康二くんに聞いた。サークルない日はここかゆきだるましかないって聞いて。」

「そっか……。」

「佐久間くん、嫁探しに来たの？」

「うん。ラウールアニメ好きなの？」

「うーん、僕あんまりアニメ見ないんだよね。見てても小学生の時とかしか見てないから。」

「そうなんだ。」

ラウールはすごく話しかけてくる。
こいつはいつも自分から話しかけてこないのに珍しいなって思ったのと同時に気を遣わせてしまってると思った。

「僕、佐久間くんのお嫁さん見たいな。どの子？」

何も聞かず俺の嫁の話をしてきた。

「俺の嫁はね〜…。」

絶対に興味は無いはずなのに、俺の話をめちゃくちゃ聞いてくれた。