ゆきだるまと僕 (ページ18)

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最初の目的地でもある海に到着した。

天気がすごくいいから海も輝いて見える。

「ほんなら、ラウールはこれに着替えてきてや〜。車の中で着替えてええからな。」

そう言って渡されたのは黒の柄Tシャツとジーパン。しかもダメージ入り。
そこでふと思った。

「あれ？この黒のTシャツ…。」

「あ？分かってもうた？笑」

この前岩本から見せてもらった時、写真に写ってたの目黒が着ていたものだった。
その際の目黒の服装はこのTシャツと灰色のカーディガン、そしてサルエルパンツ。
この時に向井の服装センスはすごいと思ったのだ。

「え、康二くんこれ僕着ていいの？」

「当たり前やん！ラウールのため思ってコージネートしたんやで！」

「コージネートって、康二くんがコーディネートしたからコージネートって言ってる？」

「せやで。コージネート、ええやろ？」

「コーデは文句無いんだけど、コージネートって言い方がやだ。」

「おぉい！！辛辣やな！！」

キャハハと笑いながら着替え始める。

着替え終え、向井ガセッティングした場所へ向かう。

「康二くん、おまたせしました！」

「おぉ、めっちゃええやん！！やっぱラウールも背が高いしモデルみたいなスタイルの良さあるから似合ってるな！」

褒めてもらえることがあまり無いからすごくうずうずしてしまった。

「ありがとう…！」

「海では自然体のラウールを撮影したいから、俺に話しかけてる感じでもええし、自分が思うようにやってもらってええからな。」

「そんなに自由にしていいの？」

「ええんよ！自然な感じが1番本人の魅力を引き出せるんよ。」

その言葉で少し安心したのだ。

もっとポーズの指定をされると思っていたが、そんな事無かった。

「ほな、撮影始めるで。カメラのことは気にしんでいい。ラウールの思い描いた事をしてくれたらええから。」

僕が思い描いたこと。

いつか、僕を入れた9人全員でこうして遊びたい…。

そんな思いをこめて…。