ゆきだるまと僕 (ページ1)

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「ふっかさーん！こんにちはー！」

僕は村上真都ラウール。高校3年生。

所謂受験生と言われるやつだ。

「おー、ラウ。いらっしゃい。今日早いじゃん。学校あったんじゃないの？」

この人はこの喫茶店《ゆきだるま》の店長のふっかさんこと深澤辰哉さん。

僕は去年この《ゆきだるま》という場所に辿り着き、どんな喫茶店なんだろうと思って入ってみたら、高校生が来たのは僕が初めてなんだと。

まぁその時も近所のおじさんやおばさんだったり、大学生が居たくらいで高校生は見当たらなかったから本当に僕みたいな高校生が来たのは僕が初めてだったんだろう。

「今日は始業式！だから早めに終わっちゃって。けど、受験勉強もあるしでちょっと一息したくて来ちゃったんだよねぇ。」

「なるほど、始業式かぁ。たしかにこの辺で桜が咲いてきてるもんなぁ。」

「ラウールいらっしゃい。」

「舘さん！こんにちは！お邪魔してます。」

この人は喫茶店《ゆきだるま》の調理担当のスタッフ、舘さんこと宮舘涼太さん。
なんでもこの喫茶店の調理スタッフは舘さんだけらしく、この人が作るご飯やデザートはめちゃくちゃ美味しい！

じゃあふっかさんは何してるのかって？

ふっかさんは接客とドリンク担当。
ふっかさんの作ってくれるアイスミルクティーは最高に美味しい！

この2人の雰囲気やお店の雰囲気、料理、飲み物が全て好きで初めて来た時からずっと通っている。

「あ、そういえば。何頼む？」

「うーん、いつものでお願いしたいです！」

「おっけ。」

「はぁ、受験なんですぐそこだよって言った人に文句言いたい。本当に息抜きする間が全然無いよ〜。」

「まぁ受験生なんでそんなもんだろ。」

「いやそうなんだけどさ〜。進学校だからって言うのもあって、授業も追いつけないわけじゃないんだけど少し難しいなって思う時もあるから。」

「まぁまぁ、これでも飲んで落ち着きなさいな。」

そういってふっかさんが出してきたのは僕の大好きなアイスミルクティー。
紅茶の味とミルクの割合が絶妙で、しかも甘め。
勉強づくしの僕にはとても嬉しい。

「はい、お待たせ。」

そう言って舘さんが持ってきたのは《たまごサンド》。
舘さんのたまごサンドはめちゃくちゃ美味しい。
コンビニで売ってるのとかとは訳が違う。

「ふっかさん、舘さんありがとう！いただきまーす！」

ゆきだるまでのご飯は最高だ。