・ ページ11
「俺は幹部補の水無瀬奏多だ。今回の指揮は俺が行う。しっかりと指示を聞くように……って言っている矢先に何勝手な行動をしているのだお前は！」
「いいか、自分勝手に決めて自分勝手に行動するな。危ないと言っているだろう！社会人の基本は報連相だ。それぐらいはこなせ。お前が一人で突っ走って行くせいで俺たちがいつも後始末をすることになるんだぞ。わかってるのか？……全く、次からは気をつけろよ。」
「……何している。早く行け。」
「いいか、理想だけでは食っていけないんだ。……諦めろ。
「御言葉ですが、それでは一般市民に被害が……しかし……わかりました、至急準備します。」
【過去】
父親が元々ナイトメアファミリーの一員だった。それの影響で幼い頃から事務所に出入りしていた。
13歳の時に父が抗争により死亡。その頃から母がおかしくなった。ひとりっ子である奏多を溺愛するようになり、「正しく」生きることを望んだ。父親が「正しく」ない仕事をして死んだからだ。「正しく」学ぶことを強要し、「正しい」理念を刷り込む。たとえそれが間違っていても、行きすぎていても関係ない。だって私の考えが「正しく」ないはずがないじゃない。奏多も、それが間違っていることは気づいていた。しかし、母親を突き放すことはしなかった。だって俺が彼女を突き放したら、見放したら、一体誰が彼女を助けるのだろう。そう考えてしまったのだ。母親の理念に従って、「正しく」生きていくうちに、それが自分の信念となっていった。
母親は16の時に病気で死んだ。依存先を失った奏多が途方に暮れている時、ナイトメアファミリーから声がかかった。奏多の能力を高く買った人から、入らないかと誘われたのだ。組織に属せば、「正しい」「正しくない」が明白になる。上の人間に従うことが「正しく」て、反発することが「正しく」ない。奏多は、組織に入ることに決めた。
組織に入って数年。奏多は初めて恋をした。相手は年上の先輩。不器用なりにもアタックして、やがて付き合うことになった。依存先が彼女に移り、その癖を克服した頃だった。彼女が任務中に死亡した。奏多が助けようと伸ばした腕は無情にも届かなかった。
優しく、人当たりの良い彼女。紛れもない“良いひと”だった。そんな彼女が死ぬなんて、理不尽じゃないか。奏多は、世の中の理不尽を知り、“大人”になってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あしゅ(^^)(プロフ) - 朔間文秋さん» お願いします！ (2022年9月6日 19時) (
レス) id: 1b2019eb8a (このIDを非表示/違反報告)
朔間文秋(プロフ) - あしゅ(^^)さん» お誘いありがとうございます！もちろん大歓迎です！ボードに伺ってもよろしいですか？ (2022年9月6日 18時) (レス) id: d4587a0e5d (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(^^)(プロフ) - コメント失礼します、「ようこそ、名のない世界へ」に天乃で参加しているあしゅです。良ければ朔間さんの蒼空さんと関係を組ませていただきたいです。ご検討をお願いします。 (2022年9月6日 18時) (レス) id: 1b2019eb8a (このIDを非表示/違反報告)
糖°(プロフ) - 素敵なキャラクターをありがとうございます。神様を信仰するシスターさん、どうか幸せになって………。特に不備等はございませんでしたので貼らせていただきます。他参加者様との交流をお楽しみください！ (2022年8月30日 13時) (レス) @page45 id: da7253f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
朔間文秋(プロフ) - ソラチカさん» お誘いありがとうございます！お待ちしています！ (2022年8月28日 22時) (レス) id: d4587a0e5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔間文秋 | 作成日時：2022年7月2日 11時
