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「う、嘘でしょ？だって、お母さんも、お父さんも、学校行く前は、元気で、」
「……ごめん」
消え入りそうな声が聞こえた。
「…なんで、にいちゃんが、謝るの、」
泣きはしなかった、と思う。余計なプライドが邪魔して、泣くことを許さないのだ。ただひたすら、泣き喚かないようとグッと拳に力を入れて、小刻みに震えていた。
「レオは、俺が守るから。」
ふと、僕を抱きしめていた兄が呟いた。最後にギュッと強く抱きしめられて、僕は兄から離される。
「もう、怖くないからな。」
そう言って兄は僕の頭を撫でた。別に怖くはない。兄が隣にいると言うことは、絶対的な安心感があるのだ。なんて思っていると、ふと家の玄関がドンドンドンと叩かれた。
「誰かいるのかな…？」
疑問に思いながらも、兄が扉を開けた。扉を叩いていたのは、近所に住んでいるおじさんだった。
「頼む！助けてくれ！」
真っ青な顔をしたおじさんが僕達を認識するや否や叫ぶ。
「助けるって、何から…」
兄がおじさんに聞こうとした時だった。おじさんの体を、“何か“が貫いた。それは、まるで氷柱を大きくしたみたいに大きくてゴツゴツで、長いものだった。あまりに見慣れないものだったので、“それ“の先端がどこに繋がっているのかを見極めるのに時間を要した。“それ”は、また見慣れない“何か“に繋がっていたのだ。獣というにも似つかない、まるで蜘蛛を大きくしておまけにキモくしたような外見に、鋭い手足のようなものを生やしている。おじさんを貫いたのは、その手、もしくは足だった。
「……は？」
ずるり、とおじさんの体が怪物の手から抜け落ちて、地面に倒れ伏す。ああそうか、死んだのか、なんてやけに冷静な頭で理解した。そのことは理解できても、そのおじさんを殺した相手については理解ができなかった。一体こいつは何者なのか。そもそも生物なのか、ロボットなのか。何もわからないまま、僕たちは家の奥に逃げ込んだ。
「…大丈夫だよ。あんな大きなもの、家の中に入れるはずないから。」
兄が僕に言い聞かせるように、落ち着かせるように言った。逃げ込んできたのは、1番玄関から離れている2階の部屋だった。別に暑くないのに、僕の額に汗が滲んでいるし、寒くないのに、体が変に震えている。抑えようとして、体をこわばらせていると、僕の手を兄の大きな手が包んだ。ゆっくりと、震えが収まっていく。
……ああ、大丈夫だ。
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七輪(プロフ) - コメント失礼します 「光か、闇か、抵抗か。」に参加しています七輪です 美空さんの登場するお話を「花街蒼の手帳」にて投稿致しましたのでご報告にまいりました！ (2022年9月6日 18時) (
レス) id: 508fa4b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - CS提出ありがとうございます！生意気なショタだ！かわいい！！不備等ございませんのでこのまま受理させていただきます！ (2022年5月15日 13時) (レス) id: 656d2fa00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔間文秋 | 作成日時：2022年5月8日 14時
