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「な、なんだ？」
僕が振り返った瞬間、目の前に眩く光る矢のようなものが突き刺さった。いや、矢と言うには語弊があるかもしれない。それはあまりにも巨大で、人の背丈を悠に超えている。これが刺さればひとたまりもないだろう。悲鳴の正体はすぐにわかった。少し先に刺さっている矢に、男性が突き刺さっている。その矢を抜こうと躍起になる女性。カップルだろうか。と考えていると、急に体が引っ張られた。引っ張ってきたのは兄のようだ。そのまま兄に抱き抱えられる。刹那、僕が元いた場所を光の矢が貫いた。一気に血の気が引くのを感じた。
「逃げるぞ」
兄は僕を担いだ状態で走り出した。
「なにあれ！？」
「俺にもわかんないよ！」
僕たちが叫んでいる間にも、光の矢は至る所に刺さっている。至る所で聞こえる悲鳴や啜り泣く声、断末魔の叫び。地上はまるで地獄絵図だった。そんな中、僕たちを味方したのは、些細な運たちだった。たまたま、当たりそうな矢に早めに気づけたこと。たまたま、それを避けることに成功したこと。たまたま、たまたま、些細な運が重なった結果、僕たちは運よく欠けることなく猛攻を生き延び、やっとのことで自宅に辿り着いたのだ。
「父さん！母さん！」
確か今日は父も有給を取ったと言っていたから、二人とも家にいるはず。当たり前に生きているはずだと二人は家の扉を開けた。家は、ボロボロな街と大差ないほどに崩れかけていた。その中、なんとか瓦礫を押し退け、兄がリビングへの扉を、開けて閉めた。
「ちょ、なんで閉めたの？」
兄の奇行に思わず聞いたが、兄は答える代わりに、微かに震える手で僕を抱きしめた。その仕草で、僕はなんとなく察した。両親が死んでいたことを。
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七輪(プロフ) - コメント失礼します 「光か、闇か、抵抗か。」に参加しています七輪です 美空さんの登場するお話を「花街蒼の手帳」にて投稿致しましたのでご報告にまいりました！ (2022年9月6日 18時) (
レス) id: 508fa4b0c0 (このIDを非表示/違反報告)
元素(プロフ) - CS提出ありがとうございます！生意気なショタだ！かわいい！！不備等ございませんのでこのまま受理させていただきます！ (2022年5月15日 13時) (レス) id: 656d2fa00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔間文秋 | 作成日時：2022年5月8日 14時
