さ く ま う る さ い 。３

. ページ24

. Ryuto









……髪染めたAちゃん、やばくね？


ということで、居てもたってもいられなくなって
マネージャーに聞いて、Aちゃんの仕事場に来ちゃったわけだけど。

はしもっちゃんとの取材を終えたAちゃんは、ただいまnon-noの撮影の真っ最中。


つまり、俺の知り合いはゼロというわけで。

後先考えずに来たはいいけど、スタジオの入口で立ち尽くしてる、なう。






『あれ？噂の作間くんじゃん』






たまたま目の前を通りかかった人が、俺を見て立ち止まる。

……噂、とは。


とりあえず会釈したら、ニコニコしながらスタジオを指さす。






『Aちゃんの見学？』


作「え？いや、そういうわけでは…」


『いいからいいから！こんなとこ立ってないでおいでよ』






THE！ファッション誌の人！って感じの明るさ。

言われるがままに着いて行くと、久しぶりに見たモデルのAちゃん。


……待て。髪染めたAちゃん、生で見た破壊力がすごすぎる。

思わずガン見したら、ふとこちらを見たAちゃんと目が合った。

一瞬目を見開いたあと、何事も無かったみたいにカメラに視線を向けたAちゃんがかっこすぎて。

…やっぱり、俺はAちゃんが。






「何してんの？」


作「わ、！？」


「今日DIVEの撮影じゃなかったっけ」


作「終わってすぐ来ちゃった」


「なんで？」


作「髪見たくて」


「明日一緒なんだから見れるじゃん(笑)」






いつの間にか撮影を終えてたAちゃんが来て笑う。

…いや、髪。かわいすぎる。


「着替えてくるから待ってて」って言われて、Aちゃんが歩いて行った方を見てたら
隣に人が立った気配がして、見るとさっきここに連れて来てくれた人。






『かわいいでしょ、うちの看板モデル』


作「……はい」


『Aちゃん、作間くんの話よくするんだよ』


作「え」


『文句ばっかりだけど、作間くんの話してる時のAちゃんが1番かわいい』


「あ、絶対余計なこと言ってる」


『おー、着替えいつもより早いじゃん』


「いつも通りですー、今月もありがとうございました！お疲れさまです！作間帰ろ」


作「え、うん」






なんかまあ、俺はさ。改めて思うわけよ。






作「Aちゃん」


「ん？」


作「だいすき」


「知ってる」






…いつまで軽くかわされるんだろうなあ。









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