さ く ま う る さ い 。３

リモラブ ページ3

. Yuto









「やっぎはっらくん」





Aのクランクインの日、少し早めに現場について台本読んでたら背中にどーん、って乗っかるやつ。

振り返れば、いつもよりふわふわしたA。かわいいじゃねえか！このやろー！






優「おまえも八木原だろ」


「ふはは、役聞いた時びっくりした？」


優「したに決まってんだろ…」


「だよね、私もびっくりしたもん」






ISLAND Fes でAのリモラブ出演を聞かされたあと、Aの役が八木原の妹って聞いて更にびっくりさせられた。

ブラコンで栞ちゃんをライバル視してたくせに、
八木原の忘れ物を届けにきたときに入口で対応してくれた五文字さんに一目惚れする役。

ごもちゃんが新しい恋に踏み出すためのキーパーソンだとかなんとか。






「ドラマ久しぶりで緊張するな」


優「俺より全然場数こなしてるだろ(笑)」


「そうだけどさ〜、」






人見知りを存分に発揮して、俺の側から基本離れないものの
スタッフさんや共演者さんに一人一人挨拶して回ってる礼儀は忘れない。

…Aが人から好かれるのはああいうとこだよなあ。






「本読み付き合って〜」


優「いいけど」


「じゃあ私が五文字さんに出会ってボーってしてるとこに八木原くん登場のとこね」


優「ん、……あ！わりいな瑠愛(るあ)！」


「おにいちゃん、」


優「ん？あ、一応検温しとくな」


「さっきの人って」


優「さっきの人？」


「お兄ちゃんのこと呼んでくれた人！」


優「五文字さん？」


「ごもじさん、」


優「…何その反応」


「彼女いる？」


優「いないけど」


「…年下いける人かなあ」


優「この前まで年上の人好きだったよ…？」


「脈ナシ…？」


優「さあ、栞ほどじゃねえけど瑠愛もかわいいからいけんじゃね？」


「…栞さんには負けるんだ」


優「そりゃおまえ、栞が1番に決まってんだろ」


「ちなみに栞ちゃんと亥清はどっちが1番？」


優「……はい？」


「冗談ですけど」


優「おまえ冗談のトーンがいつもと変わんねえから分かりにくいわ」


「ごめんて」


優「まあAが1番かもね」


「……珍しいじゃんそんなこと言うの」


優「冗談ですけど？」


「まじでいつか息の根止めてやる」






…さっきまで五文字さんにぽやぽやしてたのとほんとに同一人物？

知ってはいたものの、Aは演技上手くて。

負けらんねえなあ、









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