さ く ま う る さ い 。

. ページ10

. Ryuto









パタパタAちゃんに龍我が駆け寄ってきて、

Aちゃんも嬉しそうに龍我と話してる。


……龍我のばかやろう。

せっかくAちゃんと2人だったのに。

ばか龍我。のっぽ。脚長。






龍「さくちゃんすっごい怖いんだけど」


「こら、作間睨まない」


作「そもそもなんで俺だけ作間なの」


「なにが」


作「呼び方！ハイハイも美もみんな名前なのに」


「そうだっけ…優斗、瑞稀、涼、蒼弥、龍我、飛貴、直樹、大昇、一世……那須は那須だよ」


作「那須は ゆうと で被ってるから除外」


「えー、作間って呼ばれるの嫌なの？」


作「嫌ではないけど…」


「龍斗？(笑)」


作「……」


龍「…Aちゃん、さくちゃん死んでない？」


「死んだかもしれない」






…いやまあ生きてるんですけど。


Aちゃんの名前呼び、想像よりも破壊力が凄まじい。

龍斗？(笑)って。

(笑)、がいいよね。彼女っぽい。


え、まじでなんでみんなそんな普通なの？？

名前呼ばれる度にグハァってならないの？？






「さくまー……」


作「…作間に戻った」


「いちいち死なれたらたまんないもん」


作「なんで龍我って呼ばれて平気なの？」


龍「え？……そんなこと考えたことないな」


「龍我、それが当たり前だから確かに…みたいな顔しないで」






名前で呼ばれるの、憧れだったんだけど

ちょっと、うん……ひとまず諦めよう。



1人、どきどきを抑えてたらAちゃんが ぽん、って俺の背中を叩いた。






「落ち着いた？へんたい」


作「ええ、へんたいになるの」


「きもかったもん」


作「そんなどストレートに……あれ、龍我は？」


「時間やばい！って帰っちゃった」


作「俺らまだ大丈夫？」


「うん、たぶん美終わったらじゃない？」


作「そっか」






行こ、って俺を放置してスタスタ歩き出しちゃうとこもAちゃんっぽいなあってニヤニヤしちゃう。

手引いたりしないとこも好き！！






作「何飲むの？」


「カルピスかいちごオレ」


作「かわいい」


「うるさ、コーヒーでも飲んどけ」


作「Aちゃんも飲めないくせに」


「鬼のくせにコーヒー飲めないの変かな」


作「関係なくない？(笑)」






かわいいし、みんなの人気者だし、

……たぶん何人かは恋愛感情でAちゃんのこと好きだし。


でも、Aちゃんが笑ってる場所が

最終的には俺の隣だったらなあ、なんて思うのです。









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