33.mg ページ33
母さんの計らいであの場はお開きとなった。
『もうこの件は終わり、終わったことを引き摺ったってしょうがないわ。蓮の言いたいこともよくわかった、確かにお姉さん扱いのし過ぎは良くないよね。亮子ごめんね、これからは気をつけるね。』
そう言って不服そうに俯く父さんを半ば無理矢理一階の寝室へと押し込んだ。
やっぱり母親という生き物は地球上で最強だと思った。
風呂から上がった姉ちゃんが自室へ向かおうとしていたので、思わず声をかける。
なんとなく、放っておけなかった。
「姉ちゃん、今日は嵐見ねぇの？」
「....そんな気分じゃない。」
「ふーん....」
「見たかった？」
「別に。姉ちゃんと一緒に見たかっただけ。」
「なんだそれ....」
「....姉ちゃんの部屋、行っていい？」
「なんだよ、そんなにお父さんが怖かった？」
「違ぇよ、ちょっと話したいことがあるだけ。」
「まぁいいけどさ、何でも。今日は寝られそうにないから、いくらでも付き合ってやるよ。」
行くぞ、と階段を上り始めた姉ちゃんの後に続く。
さっきから心配そうにこちらを見つめているさっくんに『大丈夫だから』と頷いて見せると、少しだけ安心したのかリビングのソファの下に丸まった。
姉ちゃんの後を追って部屋に入り、ベッドに腰掛けた姉ちゃんに向かい合うよう勉強用の椅子を動かして座る。
俺と違って綺麗な部屋なのに、カーテンや小物類が真っ赤な色をしていてどうにも落ち着かない。
なんとなく、この空間に姉ちゃんは似合わない気がした。
櫻井翔様のファンだからといって、必ずしも赤が似合うとは限らないらしい。
ベッドカバーの淡い赤の上に乗った姉ちゃんの存在だけが、なんだかふわふわと浮いて見える。
「....蓮。蓮の話を聞く前に、まず謝らせて欲しい。最近、私ずっと蓮に頼りっぱなしだよね。ごめん。」
「は....？」
「今日だって、慰めてもらった上にあんなこと言わせちゃって....ほんと、不甲斐ない姉で申し訳ない。」
「いや、それは全部俺が勝手にやったことで....！」
「だけど的確だったし嬉しかった。....だから、ごめんなさい。」
「なんで姉ちゃんが謝るんだよ。」
「なんで....なんでかな、それはよくわからないけど。それでも申し訳ないなって。」
「嬉しかったなら『ありがとう』でいいじゃねぇか、なんでそこで謝罪の言葉が出てくるんだよ。それとも、何だ。姉が弟に慰められることも『頼る』の内に入るのかよ。」
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
