31.nb ページ31
また面倒なことになった。
どうしてこう、女ってのは人の色恋に興味を示すのだろう。
そりゃあ男だって仲の良い友人の彼女の話くらいは聞きたいと思うこともあるし、片想い中なら応援して協力してやりたいとも思う。
だけど男と女の決定的な違いは、その恋愛が上手くいく・いかないで友情まで壊れてしまうことがあるか否かだ。
今の時代『男』『女』なんて考え方は古いんだろうけど、それでもやっぱり交われない部分ってのは多く存在するらしい。
また亮子がラウ子を泣かせた。
小さい頃からずっとそうだ。
なぜ怒られることをわかっていて、意地悪するんだろう。
やっぱり女ってのはわからない。
だから蓮の見解は、俺にとってかなり衝撃的なものとなる。
「....ラウ子、いい加減その嘘泣きやめろよ。」
心底びびった。
思わずサクマと目を合わせ、互いに『どういうことだ、俺にはわからねぇ』を確認し合う。
軽く頷き合って、再び部屋の中へと視線を戻す。
「嘘泣きなんかじゃない....お姉ちゃんが好きな人のことを諦めるって言うから、そんなこと言わないで頑張って欲しいって....そしたらお姉ちゃんが....お姉ちゃんが....っ」
「....先に手ぇ出したのどっちだ。」
こういう時、父さんの言葉には多大なる迫力が宿る。
俺まで怖くなって、またサクマと目を合わせる。
「お姉ちゃんだもん！！」
「嘘だよ、ラウ子だって....！！」
....まぁ、そうなるよな。
だけどなんとなく、亮子が嘘をついているようには見えない。
だからといってラウ子を疑うわけではないけれど、やっぱり双子同士通じ合うものはある。
「....ラウ子、お前は人のプライバシーな部分に立ち入り過ぎだ。そりゃ亮子だって嫌になるだろ。」
「だってお姉ちゃんが....っ」
「亮子、お前も年下に手出すな。仮にも姉だろ、お前は。」
「....はい。」
暫し沈黙が流れ、俺はやっぱりサクマと視線を交わす。
なんで俺達ここに来ちゃったんだろう、そんな後悔と共に。
「....ラウ子、もう遅いから寝なさい。話は明日でもできるわ。亮子も寝る支度始めなさい。今日は疲れたでしょう。」
こういう時、母さんの言葉には場を和ませる力が宿る。
未だ納得のいかない顔で亮子の部屋を出て行ったラウ子は、二つ隣の自分の部屋に直行して荒い音を立ててドアを閉めた。
やっと解決か、さぁテレビの続きを....
「....何それ、おかしくね？」
....蓮、頼むから空気を読んでくれ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 631人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
