15.mg ページ15
....言ってしまった。
いや、伝えるつもりではあったけれど。
もっと、こう....
ラフに、冗談に聞こえるような言い方をするつもりだった。
思ったよりも低く、重い声になってしまった。
ガチじゃん、俺。
やっぱり俺には策士とか駆け引きは向いていないみたいだ。
しばし姉ちゃんと見つめ合う。
さっき自分が注意したくせに、姉ちゃんの手を止める原因になってしまった。
軽く放心状態の俺と、驚いたように目を見開く姉ちゃん。
明らかに不自然な静寂を打ち破ったのは、姉ちゃんの方だった。
「は、はぁっ！？なんだよそれ、私めちゃくちゃ勇気出して誘ったのに？せっかく優子や北美が協力してくれるのに？行くなだぁ？お前、頭狂ってんのか！？」
「....ごめん。」
「ほんっとにさぁ....急に何を言い出すんだ、まったく。....まぁね、わかってはいるよ？デートとかさ、自分がそういうキャラじゃないことくらい。」
「やっぱりデートなんじゃん。」
「もう否定するの、馬鹿馬鹿しくなっちゃった。」
「その樹さんって人、本当に大丈夫なのか。姉ちゃん面食いだから、男を見る目は信用してねぇぞ。」
「大丈夫、優しい人だよ。」
「不良なんだろ？」
「電車でお年寄りに席を譲ってるところ、何回も見てる。」
「席を譲る奴が必ず安全だっていう保証なんて無い。」
「....ねぇ、本当にどうしたの？今日の....いや、最近の蓮なんか変だよ。」
「別に変じゃねぇよ....。」
「あ、さてはお前っ....」
「....何だよ。」
「そうかそうか、蓮くんはおねーちゃんのことがだーいちゅきなんだもんねーっ！！誰かにおねーちゃん取られるの嫌なんだもんねー？おーよちよち、可愛いなぁお前は！！！」
「おいっ！！ちょ、やめ....うーわ、最悪。」
あろうことか、姉ちゃんは濡れたままの手で俺の頭を思いきりぐっちゃぐちゃに撫で回した。
満面の笑みと、小馬鹿にしたような視線。
俺は本気で心配しているというのに、軽く受け止められてしまった。
「あはは、ごめんね〜」なんて言いつつ洗い物を再開させた姉ちゃんに、妙に腹が立った。
「....心配なんだよ、姉ちゃん綺麗だから。」
「褒めても何も出てこないぞ。」
「恋愛初心者の真面目女子なんて、これ以上遊びやすい条件なんか無い。」
「だから何？そんなの怖がってたらいつまでも恋愛初心者のままじゃん。」
「....」
だけど、なんだか嫌な予感がする。
何なんだ、この胸騒ぎは。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
