14.ab ページ14
なんやかんやで土曜の朝。
両親は相変わらず仕事で、やっぱり手伝いを頼まれたのは私だった。
『お友達が来るなら、洗濯くらいラウ子に頼む？』っていうお母さんの気遣いは嬉しかったけれど、前に任せた時の悪夢を思い出して『私がやるからいい』と応えてしまった。
Tシャツを裏返したまま洗濯に出す蓮も悪いけど、それをそのまま畳むラウ子の姿を見た時は軽く衝撃だった。
洗濯機の使い方も曖昧で、横から口を出すとそれはそれは不満そうな態度を取られてそのまま大喧嘩になった。
ポケットの中を確認せずに洗濯機を回したものだから、翔太のズボンに入っていたティッシュのせいで地獄絵図になった。
自分の不甲斐なさにラウ子は号泣、結局片付けたのは私とお母さん。
もう絶対に任せるものかと誓った。
自分がやった方が早い。
そう、この不平等が生まれたのは私のせいでもあるんだ。
小さい頃から私が何でもやってあげてしまったから、翔太や下の子達が何もできなくなってしまった。
だから自分ばかりが大変な思いをする羽目になったんだ。
全部が全部、両親やラウ子達のせいというわけじゃない。
戻れるならあの頃に戻って、色々と教え込むのになぁ....。
「....姉ちゃんどうした、手止まってるけど。」
「うぇ、ぁ....ごめん、考え事してた。」
「考え事なら水止めてからしろよ。勿体ないだろ。」
そう言いながら泡の付いた私の手を綺麗に流してから水を止める蓮。
何故かこういうところは気が利くんだよなぁ。
「....変わろうか、洗い物。」
「いい、蓮に頼むとお皿何枚割れるかわかったもんじゃないから。」
「うわ、否定できねぇ....」
「だろうな。」
なんとなく落ち込んだ素振りを見せる蓮に、なんだか申し訳ない気持ちになる。
ごめんね、小さい頃に教えてあげればよかったね。
やらせてあげればよかったね。
「....洗い終わった皿、ちょうだい。拭くくらいなら俺にもできる。」
「なんだよ、今日はやけに優しいじゃん。....あ、もしかして何か強請ろうとしてる？それとも恩売るつもり？」
「いつも姉ちゃんに任せっきりで悪いなーって思っただけだよ、悪いか。」
「うーわ、怖ぇな。明日雪でも降るんじゃないの？」
「失礼なっ！」
「あはは、嘘だって。」
喋りながらも手を止めずにお皿を拭いては重ねていく蓮。
いつになく頼もしく見える。
「....俺、何も強請るつもりなんか無いけどさ。....行くなよ、デート。」
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
