11.mg ページ11
今日の夕食は、珍しく早く帰ってきた母さんの手作りコロッケ。
しっかり潰された芋と中濃ソースが絶妙に絡み合ってめちゃくちゃ美味い。
だけど実は、姉ちゃんが雑に潰したホクホクの芋の方が好きだったりもする。
....なんて、口が裂けても言えないけれど。
「あ....そう言えば亮子、今度樹とデートなんだって？」
っ....！？
あっぶねぇ、ホクホクの芋だったら俺死んでたよ今。
え、何？
デート？
姉ちゃんが、デート！？
「ちょ、なんで翔太が知ってんのよ！？」
「樹から聞いた。日曜、映画とボウリング。あとみんな聞いて。亮子友達いないんだって。」
「....一回黙れ、翔太。まず、私にだって友達の一人や二人ちゃんといる。」
「北美お姉様と優子ちゃんだよねー？」
「ラウ子もちょっと黙って。今私、翔太とお話してるの。」
「はーい。なんかお姉ちゃんが怖い顔してるので、ラウ子黙りまーす。」
「いい子。....で、翔太。正直私は今パニクっている。相当混乱している。それを前提に聞いて欲しいんだけど。」
「何なんだよ....。手短に頼むわ。」
「私と田中くんはデートの約束なんかしていない。そもそもデートという言葉は日にちや日付けを意味するものであって、それは遊びの約束を意味しない。日本語的な認識においては日時や場所を決めて親しい異性と会うという意味も持つけれど、私と田中くんはほとんど話したこともない。よって私達がするのはデートではなく、ただのお出かけ。わかった？」
「難しい話はわかんねぇよ、俺。」
「とにかく！！デートではないから！！返事っ！！！」
「は、はい....っ」
姉ちゃんの物凄い圧で、兄ちゃんが負けた。
姉ちゃんは何事も無かったかのように食事を再開したけれど、父さんも母さんもラウ子も完全に引いてしまっている。
そして、俺にはわかったよ。
姉ちゃん、その『樹』って人のことが好きなんだろうな。
隠しているつもりだろうけど、俺の目は欺けないよ。
姉ちゃんが誰かに恋していることには何となく気付いていたけれど、実際に名前を出されるのは思っていたよりショックがデカかった。
自分への想いじゃないことも知っていたけど、それでも『樹』さんに嫉妬心を抱いてしまう。
その嫉妬心は、俺の闘争心に火をつけた。
アイドルはともかく、樹さんになら勝てる。
会ったこともない相手に、心の中で宣戦布告を。
姉ちゃんのことを幸せにできる男は、たぶん俺しかいないよ。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
