9.ab ページ9
程なくして、乱暴に開けられたドア。
静かだった教室に、これでもかというほど音が響いた。
明るい....あれはピンク、それとも赤？
とにかく派手に染められた髪と、着崩した学ランがよく似合う彼。
俗に言う不良、それが私の想い人だ。
「ほら、亮子行きなさい。」
「テンパっちゃダメだからね？ガンバっ！！」
「....失敗しても笑うんじゃねぇぞ。」
「勿論よ、静かに見守っていてあげるから安心なさい。」
「ほら、早く早く！！」
窓側の後ろから二番目の席、来て早々昼寝の体勢になっている彼の前に立つ。
不安になって振り返ると、失敗したどころかまだ何も話していないってのに遠慮無くニヤついている二人と目が合った。
『笑うんじゃねぇぞ』はフリじゃないんだよなぁ....。
「....何か用？」
「うぇっ！？ぁ....」
私の気配に気付いた彼が面倒臭そうに問う。
驚きのあまり変な声を上げてしまって恥ずかしい。
「何、暫く部活サボったからって説教でもしに来たわけ？顔出してるんだからいいじゃねぇか、半分以上は幽霊部員なんだろ？来てやってるだけでも有難く思えよ。」
「え....あの、えぇと....っ」
「お前、確かしょっぴーの妹だよな？」
「そう、です....」
「兄貴に伝えといてくれよ、田中くん寂しがってるから偶には構ってやれって。」
「....はい、伝えておきます。」
「で、話を戻そうか。まさか何も用が無いってのに俺に近寄ってきたわけじゃねぇだろ？」
「....」
「....シカトかよ、喧嘩売ってる？」
「た、田中くん....映画、とか....興味....あったり、しない....ですか....っ」
「は？」
「だから、映画....今度一緒に....あの....翔太の代わりでいいからっ....ほら、翔太今忙しくて....その、バスケ部....」
まとまらない。
言葉が全くまとまっていない。
やってしまった、これじゃ伝わるものも伝わらないよ。
「映画か....そういや久しく行ってねぇな。....よし、わかった。じゃあ映画付き合う代わりに俺の用事にも付き合え。」
「え....」
「ボウリング。ついでに俺の仲間も紹介してやっから。」
「仲間....？」
「お前友達いねぇんだろ？だから紹介してやる。今度の日曜、駅に十時。」
「私....友達いないんですか？」
「わざわざ俺みたいなの誘ってくるあたり、どうせぼっちだろ。じゃあ、約束ってことで。」
多大なる誤解を与えた気もするけれど....とりあえずクリアファイルゲットだぜ。
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
