21.mg ページ21
「....入っていい？」
「だってここ、蓮の部屋だし....。」
「....入るね。」
ドアノブに手をかけ、ゆっくりと開ける。
中は暗いままで、ほとんど何も見えない。
姉ちゃんは人に涙を見せたくない人だからな、と自分を納得させて部屋に足を踏み入れた。
そのままもう一度ドアを閉めて、施錠する。
「....蓮、さっきはごめん。痛かったでしょ。」
「全然。サッカー部ナメんなって。」
どちらかというと心の方が痛かったよ....なんて、絶対言えないな。
「....変、かな。私、このままじゃおかしいかな....おかしい、よね....。」
「なんで？姉ちゃんは素敵だと思うよ。」
「高校生にもなってツインテールって....そうだよね、北美達の言う通りだ。私バカだ....」
「俺は好きだよ、そのままの姉ちゃん。」
「....同情なら要らない。」
「俺は本当に自分が思ったことしか言わない。嘘つけるほど器用じゃない。」
「そうだった....蓮はそういう奴だもんね。」
「でも教えて欲しいな。なんで変えたくないの？何かそれなりの理由があるように見えたんだけど。」
「....そんなにわかりやすいかな、私。」
「兄ちゃん名指しで怒鳴ったのは賢くなかったね。」
「なるほど....。」
「....兄ちゃんが関係してるの？」
「....笑うなよ、絶対。」
「約束する。」
それなら、と一呼吸。
淡々と話し出した姉ちゃんの表情は見えないけれど、自嘲気味なのは声でわかった。
「....結構前の話なんだけど。翔太が褒めてくれたんだ。『亮子は二つ結びが一番似合う、一番可愛い』って。その頃私、地黒なのがコンプレックスで自分の容姿が気に入らなくて。そんな時に似合う、可愛いって言われて....嬉しかったんだ。だからもう、自分は一生これでいこうと思った。自分にはこれしか無いって....怖いね、思い込みって。」
「....それ、いつの話？」
「もう本当に小さい頃だよ。幼稚園とか、そのくらい。」
「その時褒めてくれた兄ちゃんに否定されたのが我慢できなかったんだ。」
「そうかも。翔太のことだから、忘れてるなんてこと普通に考えればわかるのにね。やっぱりバカだよ、私は。」
「姉ちゃんはバカじゃねぇよ。見た目でしか人を判断できない奴らがバカなんだ。....姉ちゃんが好きになった人は、きっとそんな奴じゃない。姉ちゃんが自分らしいと思える格好で会いに行けよ。それでダメなら....その時は『アイツはバカだった』って笑ってやればいいんだ。」
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まなお(プロフ) - れいんさん» ありがとうございます！私も読ませて頂こうと思います。素能家、いいですよね！教えていただきありがとうございました！ (2020年6月4日 13時) (
レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 作品名は「家族ですの。」、作者様は「ミントアップルティー」さんです。 (2020年6月4日 11時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» 私も読んでみたいので、よろしければ作品タイトルや作者様のお名前を教えて頂けませんか？ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - れいんさん» そうなんですね、ご報告ありがとうございます！私と同じような趣味の方がいらっしゃるということですね、仲間が増えたみたいで嬉しいです！！仮に真似だとしても、こんな駄作を参考にしていただけたということで、認められたみたいで幸せです！ (2020年6月3日 22時) (レス) id: aed59bcb78 (このIDを非表示/違反報告)
れいん - 私はmmabの小説を読み漁っているのですが、このお話によく似た作品を見つけました。類似している作品の方が後に作成されていたので、真似ていたとしたらもう一つの方かなと思います。作者様があまり気にしていないなら大丈夫なのですが…一応報告させていただきました。 (2020年6月3日 20時) (レス) id: ae247e4732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお
| 作成日時：2020年1月18日 1時
