水色の勿忘草

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聞いた診断結果。


自分でもまだ信じられない。


でも診断書を貰ってしまえばこれが現実なのだと突きつけられている気分になる。






家に着いて冷静になってから気づいた、


私の病気、筋萎縮性側索硬化症は





私の大切な兄を奪った病気であることに。



“ 家族性ALS ”

兄妹がかかっていればかかりやすくなるらしい。


ネットで調べた。



まさか私が、兄と同じ病気になるなんて。





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私の兄はジャニーズを目指していた。


兄は美形で、ダンスも歌も大好きだった。


私も兄と一緒に歌ったり踊ったりした。



ある日、

兄「ねぇ！！履歴書通ったよ！！！」

『ほんと！？』

兄「うん！明後日オーディション！！」

母「頑張ろうね！」



そして、兄はジャニーズJrになった。

それから2年。



母「さっき練習中にお兄ちゃんが倒れたって」


そんな母の焦った声を聞き、私たちは病院へ駆けつけた。



そこで担当医に聞かされたのは、


医者「彼は “筋萎縮性側索硬化症” という病気です。」


まだ幼い私には難しくてよく分からなかったが



最終的に “動けなくなる” そして “改善されない”

ということだけははっきりと聞こえた。




それから3年。

長きに渡った闘病生活も虚しく、兄は他界してしまった。


私は兄の意志を継いでジャニーズのオーディションを受けた。



女である私を好奇の目で見る者は沢山いた。


それでも、


田中「お前女でしょ？」

『そうだけど。』

田中「なんでオーディション受けてんの？」

『お兄ちゃんの夢、あたしが叶える。』

田中「お前お兄ちゃんいんの？」

『… もう、いなくなっ、、』

田中「…ごめん。無神経な事聞いた。」

『…ううん。』

田中「俺も、兄ちゃんに憧れてジャニーズ入ったんだ。」

『そうなんだ、』

田中「俺、樹。よろしくね。」

『あたし愛実。よろしく。』




彼、田中樹だけは違った。


そして彼のおかげで 風磨や健人とも仲良くなることが出来た。


勿論、彼の兄、田中聖くんとも。






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兄はこう語っていた。


兄「俺、デビューしてステージでバク宙したい！」

兄「あと、デビューシングルでミリオンいきたい！」






兄「あと、10周年をでっかく祝ったりしたい！」






兄は3年の闘病生活で亡くなってしまった。


今私たちはデビュー1年半。






ごめん、私お兄ちゃんの夢、叶えらんないかも…。

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