stay alive ページ17
「信じてないだろ。」
「・・うん。」
それでも。
余計なことは聞かない
暗黙のルールみたいなもんが俺たちにはあって。
雅紀は気になってもこれ以上は聞いてこない。
ありがたく、申し訳なくなるこんな時は。
「それよりさー。
久しぶりだな、スキンシップ。」
誤魔化すしかないんだよなー。ごめん。
「・・・だね。」
「雅紀の抱き心地はやっぱ最高だな。」
「そうなの？」
「ああ。一生離したくない。ふふっ。」
誤魔化すために出た言葉だけど。
もちろんこれも本心。
でも。
また冗談として捉えられるんだろうな。
そう思ってたのに。
「ぐすっ・・・。」
耳元で聞こえた思いがけない反応にうろたえる。
「どうしたっ？！」
抱き合ってた体を離して顔を見れば
パールみたいな涙の粒が雅紀の頬を伝ってる。
「なんで泣くんだよ？？」
泣かせるようなことはひと言も言ってないのに。
そんなに酔うほど飲んだのか？
いや、雅紀は泣き上戸じゃない。
じゃあなぜ？！
なぜなんだ？！
「くふふ。
おれはさ、本っ当に幸せ者なんだー。」
「ど、どうした？急に。」
マジでわかんなくなってきたぞ。
「しょーちゃん。
今まで本当にありがとね。」
「え？何が？
え？AMNOSでのこと？
いや、活動休止中だって
俺はいつだって雅紀のことを思ってるぞ？？」
休止して寂しくなってるだけ？
それならまだいいけど
泣くほどの心配事があったらどうしよう。
ここは踏み込んで聞くべきか？
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作者名：わか
| 作成日時：2022年9月30日 9時
