梔子が7本 ページ7
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涙を耐えて深呼吸する。
………はぁ
大きなため息をつく
また溢れそうになる涙
どうしよう、翔ちゃんに気づかれちゃう
早く落ち着かないとと思えば思うほど気持ちはざわついたままで
やがて耐えきれなかった感情みたいに涙がこぼれ落ちた。
慌てて頬を拭うと
櫻井「A？」
涙を拭いていた右手を骨っぽい指と大きめの掌に後ろから捕まれた。
「翔…ちゃん……」
櫻井「何泣いてんだよ」
翔ちゃんが困惑したような、ちょっと拗ねたような顔でそこに立っていて
櫻井「なに？、そんなに嫌なのかよ」
翔ちゃんが私のこの状況をどうとらえてるのかはわからないけど
「違うの、嫌なんじゃなくて…」
ちゃんと説明しなきゃこの人は納得してくれないってわかってる。
きちんと理解したい気持ちの強い人だって知ってるから。
「嫌なんじゃなくて…
怖いの…」
そう、これはきっと恐怖心なんだと思う
櫻井「怖いっておれが？」
小さく頷いたら涙がぽろんとこぼれて床に落ちていった。
櫻井「何で？俺なんかしたか？」
「翔ちゃんがっていうか…」
涙がまた上がってくるのを堪えるから声が震える
私をのぞき込むようにしゃがんでた翔ちゃんが床に座って横からそっと腕を回してくる。
櫻井「こうされるのも怖い？」
体に回されたその腕をぎゅっと抱きしめる
「違うの…翔ちゃんが怖いんじゃなくて
……撫子さんの記憶が怖いの。
翔ちゃんとここにいた撫子さんの様子とか嬉しそうにしてた翔ちゃんとか…」
くっと喉の奥に詰まりそうな息を飲みこむ。
「この部屋にくると思い出しちゃって、翔ちゃんの隣にいることが怖いの。
私じゃな…っ！」
ぎゅっと
ぎゅーっと、私に回されていた腕に力が入って抱きしめられる
痛い位に
心よりも物理的な痛みが大きい位に強く強く抱きしめられた。
櫻井「…んなこと言うなよ。」
翔ちゃんの低い声が体に響く
櫻井「お前が大切だってようやくわかったのに
これから一緒に過ごしてくのに過去のことに捕らわれんなよ」
櫻井「今の俺の腕の中にいるのお前だろ」
その言葉と翔ちゃんの温度が強張っていた心に吸いこむように染み込んできた気がした。
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嵐love(プロフ) - 感想の続きです。翔ちゃんの甘い感じが凄く感じる事が出来ました。ドキドキも沢山ありました。主人公ちゃんの純粋な気持ちが伝わりました。今の季節にぴったりなお話しですね。もう東京は、桜は、咲き終わったけどまだ咲いてる所を想像して読めました。楽しかったです。 (2016年4月26日 10時) (
レス) id: 124a98dc04 (このIDを非表示/違反報告)
嵐love(プロフ) - 読みました。読み始めた時間が遅いから直ぐに寝てしまうかもと読んでいたらだんだん目が覚めてきて最後まで一気に読んでしま所でした。最後まで読みだかだけど目が疲れたので寝ました。だけど朝起きて続きから読みました。最後に結ばれて良かったです。沢山キュンしたよ (2016年4月26日 10時) (レス) id: 124a98dc04 (このIDを非表示/違反報告)
陽柚璃(プロフ) - お返事ありがとうございます！そうなんですよ！私、神話って結構好きなんですけど、その中でも一番ってくらい好きです（笑）また楽しみにしてます♪ありがとうございました。 (2015年4月8日 23時) (レス) id: 3f38eb0cdb (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - a-yunさん» a-yunさんのコメで最後を迎えられてなんだかとっても嬉しいです。いつもいただくコメがほんと的確で読んでくれてる人がいるって気持ちになってとても励まされました。お付き合いありがとうございました<(_ _)> (2015年4月8日 23時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
雪月(プロフ) - にゃんさん» おまけ気にいっていただけましたか？なにせ内容が無いので足そうか悩んだんですが気に入って頂けたら方がいるとほっとします(笑)こちらこそありがとうです。 (2015年4月8日 23時) (レス) id: 7b17d49fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪月
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=verbena
作成日時：2015年2月14日 2時
