デザート ページ15
『おーやおやおやぁ〜?やっと揃ったか御三方ァ!』
まるで洞窟の様に響き渡る声に耳を澄ます。けどそれは何処から聞こえて来るのか解らない。
「声が反響し過ぎてて何処にいるか掴めねえ……ダメだ」
それ所か蜘蛛の気配ばかりが増している気がする。……いや、気の所為じゃあ無い。異能力者が自ら出て来たんだ、当たり前か……
俺はサングラスを外してポッケに入れた。そしておっつんに話しかける。屋敷内が暗くなってきている……ヤバイぞ
「……今何時だおっつん。」
おついち「最悪だよ……夜6時だ。しかも僕らが今囲まれてるのは何故だか全部アシダカグモってわっけ」
響き渡る声は続け様に自信たっぷりという風に話す。
『そう!!当たりだァ……アシダカグモは夜行性、基本は害虫駆除に徹底する。しかし……お前等を害虫、詰まりはゴキブリや蝿と認識してしまった場合、どうなると思う?』
弟者が首を傾げ今迄のはアシダカグモじゃないのぉ?と呟く。それと同時に周りからの獲物を見る様な目線が一層強くなった。
『昼までは只の肩慣らし。お前らの相手をしてたのはちっちゃい可愛い子ちゃん達だ……今からが本番!!大量のハンターに囲まれて地獄を見なァ!!』
その声と共に一斉に暗がりから長い足と牙が襲い掛かる。結局本体は見えずじまいかよ!!!畜生!!
弟者「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!無理イイイイイ!!ダメェエエエエエエエエイヤ!!」
「馬鹿野郎!!一番戦力オールマイティな奴が逃げてどーするんだよ!!」
敵前逃亡の弟者を引っ捕まえてドスドスと柱みたいな脚が床に突き刺さりまくる。
牙に今にも追いつかれそうになる中逃げ回っていると、おっつんがこの忙しい時にボソボソと独り言を呟いていた。
そして俺達を見て言った。「兄者、上だよ」と
「ハァ?!何が上なんだよ?!」
おついち「兄者言ってたよね!『反響し過ぎてて解んない』って!!多分この屋敷の広さは無限じゃない、天井は必ず有る!!」
走りながら考える。天井?!否しかしそんなに響き渡る天井なんてあんのか?!……否、あった。
「……天井は天井に非ず。彼奴が居座って声を拡散してるのは教会みたいなドーム型の屋根か!!」
目をよーく凝らすと遥か彼方、上の方に一番デカいシルエットが鎮座していた。しかもドーム型の空間……ビンゴォ!!
おついち「兄者、君に任せるよ。あの距離は僕等じゃ届かない」
そう言われて上を睨む。
「……時間、稼げるか?二人共」
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作者名:さくら | 作成日時:2018年1月26日 19時