文豪DA【 デッドアップル】語られなかった文豪達

D・A 尾崎紅葉の場合 其ノ四 ページ8

贈呈品の中に隠れていると、金属が何かを割く音がした。






紅葉「金色夜叉……！！彼奴もこの異能空間に！？」






コンジキヤシャ？紅葉の異能力かしら？


「少し外を覗いて……」





箱の割れ目に手を掛けようとすると紅葉に手を払われる。



紅葉「覗くな！！奴は血も涙も無い暗殺の化身じゃ……気付かれたら一巻の終わりと思え。」


「嘘でしょ？！じゃあ今が最悪じゃない！！日本で暗殺と言えばカタナでしょ？相当危ないわ！！」



紅葉「だから言っておるのだ！！見つかったら死ぬと！！」


「そ、そうね……解ってるわ。どうするの？此れから」


紅葉「……モンゴメリ、この空間に何かを引っ掛ける場所は有るかの？」




……引っ掛ける場所？一体何をする気？




「……引っ掛ける場所なら其処此処に有るわよ？ハンガーとか、鞄とか引っ掛けるもの。」


紅葉「紐状の物は？」






紐状の物？其れなら問題は無いわ！


「前に飾り付け用のリボンを片付けるのが面倒でこの中に適当に詰め込んだの。ほら」




紅葉「ふむふむ……長さは問題無し。可也長いのぉ……行けるかもしれん」






「何をするの？想像が付かないわ、全くね」


紅葉「この箱に入ったのが運の付きじゃな。助かるぞ、モンゴメリ」


「だーかーらー！！何をする気！？」


不意に紅葉が箱を開けた。





紅葉「まあ、見ておれ……確実にアンは倒せる」

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