15 ページ19
「…俺じゃだめか？」
「それってどういう…」
「…わかんねーの？」
抱きしめられて初めて目が合う。
キヨの顔が赤かった。
つられてわたしの鼓動も過敏に動く。
顔が近すぎて、恥ずかしくなって俯いた。
「…なんとなくわかってる。」
だめだ私、正直凄い嬉しがってる。
けど…
わたしは普通の庶民だし、
キヨみたいな超がつく有名人とは釣り合わない。
キヨとはもっと、有名で綺麗な人で、私よりなんかはもっと…
「…キヨには、もっと、私なんかよりもいい人がいるよ。」
「……。」
「だから…」
「……はい、嘘！！！」
「…へ？」
「今のやつぜーーーーんぶ嘘！！！！！！」
「…はぁぁぁぁぁぁぁあ？！」
キヨはケラケラ笑いながらわたしに指差す。
…しまった、キヨってこういう人だった。
わたしの体を自身から離して、キヨは立ち上がり、
背中を向けながら頭をかく。
「俺演技力すげーだろ？？笑」
「…うん、なんだ、そっか。
ドッキリかー。ほんとに騙されちゃった笑」
「ふはは、マジで俺月9出れるわ。」
…あれ？わたし思ったよりショック受けてる。
自分なんかと付き合うべきじゃないってわかってるのに…。
そっか。
わたし本気でキヨのこと好きになってしまったのか。
「そういえば、明日の夜出て行くんだっけ？」
「あ、うん、そうだよ。
明日休みだし、昼ごはん豪華にするね。」
「っしゃ、やったぜ。」
ご機嫌なキヨは自分の部屋に入っていった。
(…今度は叶わない系の恋愛か…
この年でキツイな笑)
…あれ、わたしなんで泣いてたんだっけ？
もうその頃三井さんからの電話は切れていて、
そんなこと気づきもしないくらいキヨに夢中になっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 650人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
都こんぶ(プロフ) - ありがとうございます！また忘れた頃にもう一度読んで頂ければ幸いです^_^ (2021年11月26日 0時) (
レス) id: 463265f238 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 個人的に私が求めているものがギュッと詰まった作品でとても読んでいて楽しかったです！！素敵な作品ありがとうございました！！ (2021年6月28日 20時) (レス) id: 8ee8180b12 (このIDを非表示/違反報告)
都こんぶ(プロフ) - 雑食の林檎さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…また忘れた頃にでも読んでください！ありがとうございました。 (2020年11月30日 22時) (レス) id: 463265f238 (このIDを非表示/違反報告)
雑食の林檎(プロフ) - 今まで更新お疲れさまでした！ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 0a1352cbdd (このIDを非表示/違反報告)
雑食の林檎(プロフ) - いつもこの作品を読ませていただいていました！最終話まで読み終わった今、「終わっちまった…まじかよ生きる意味なくなるじゃん」と何度も繰り返し思ってます笑 とてもキュンキュンさせられる作品だったので、これからも都こんぶさんの作品は是非読みたいと思います！ (2020年11月30日 17時) (レス) id: 0a1352cbdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：都こんぶ | 作成日時：2020年10月4日 23時
