中原幹部と私11 ページ13
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何も無い、真っ白な世界。
そこに私と1人の少女。
私はその少女を知っていた。とても憎くて羨ましいと何度も思っていた少女。
『泉…鏡花。』
「…。」
何も泉鏡花は言わなかった。次の瞬間、脳内に色々な光景が再生される。
泉鏡花に和菓子を買う紅葉様
泉鏡花を抱きしめる紅葉様
___楽しく食事を共にする紅葉様。
『違う…!それは、私の記憶なの!
なんで泉鏡花が隣にいるのよ…全部全部私と紅葉様の思い出なのに!』
怒りに身を任せ私は泉鏡花を掴んだ。
あなたは狡い
紅葉様に愛されて、光の世界へ行っても紅葉様はまだあなたのことを愛している。
『あなたのせいで…私は大好きな紅葉様に…重ねられてるのよ!周りの人は私のことを【泉鏡花の代用品】って読んでるんだから!』
「…。」
何も言わない泉鏡花。だけど彼女の瞳は光に満ちていて私は憎たらしく思った。
ねェ、あなたが羨ましい。
「何をしているのかえ?」
『!、紅葉様…。』
紅葉様が現れて私と泉鏡花を見た。何故かその瞳は冷たく私はゾワゾワした。
____紅葉様?
「可哀想に、怪我はしてないのか?
______鏡花や。」
私なんて知らぬ振り、のように泉鏡花を掴んでいた手を払い除けられ紅葉様は泉鏡花を抱きしめる。
『な…んで、…いや。』
紅葉様まで泉鏡花に行かないで。
_____私を見捨てないで。
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「おい、…起きろ!」
『ッ!?…ゆ…め。』
目が覚めると私はソファに横たわっていた。中原幹部は呆れながらも私を起こしてお水をくれる。
「手前ェ…うなされてたぞ。
姐さんからもうすぐ仕事が終わると連絡が来たから準備しとけよ。」
『はい、分かりました。』
____夢でよかった。
私は心の中でひっそりと安堵のため息を漏らした。でも、どこかざわめきは治まらない。
これは、悪い夢でいいんだよ…ね?
_______
・しばらくの間更新出来ずに申し訳ございませんでした。ちまちまと更新するような感じなので気長に待っていただけたら幸いです。
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まがおちゃん - めちゃくちゃすこです…!更新待ってます!! (2019年7月7日 10時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 私、鏡花ちゃんも中也さんも、和装少女も好きなんで、この作品、好きになりました! (2018年7月21日 1時) (レス) id: d9fe0571d4 (このIDを非表示/違反報告)
中原中也の帽子 - めちゃくちゃ続き気になります……!!!更新待ってます (2018年3月11日 19時) (レス) id: 75e7a0f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイスココア - めちゃくちゃ好きです!更新待ってます!!! (2018年3月4日 23時) (レス) id: 75e7a0f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - あ、、、、切ない、、、 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 21f68f96dd (このIDを非表示/違反報告)
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