幹部のトリコ【中原 中也】

１話 ページ2

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『＿＿＿お見合い？』




「えぇ、隆義さんと仲のいい方から勧められて断りきれなかったらしいの。


容姿も悪くないし、悪い話じゃないでしょ？」



曇のない静かな笑みが、私に向けられていて私はそれを前にそうですね。と答えるしかなかった。





「よかったわ。

嫌なら断ればいいし、会うだけで構わないのよ。」




じゃあね。と言って部屋を出た。









『嘘だ』





ギュッ、とスカートの裾を握りしめ口を噛んだ。




お見合いを勧められるのは初めてじゃない。




断ってもいい。と言っておきながら断れば嫌な顔をする。




『早く出ていけって顔してる…






分かってるよ、そんなこと。』




だけど、ワガママなんか言えない。


あとから、綺麗なお洋服が用意されて



ぼーっと眺めていた。







少し早めに寝て、望んでいない朝を向かえた。

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