偽者の花嫁 【中原中也】

７話 ページ8

新居に引越しして２日目



昨日の夜は中原さんにお願いしてもらって別々で寝るようにした。







１週間で慣れろと無茶な約束を取り付けられたけど。







朝ごはんを作ろうと早めに起きたけどもう中原さんはいなかった。






その代わり書き置きがあった









外に出る時はそのチョーカーを付けろ






『チョーカー…？』







とりあえず、チョーカーを付けた。





忘れっぽいからいつもつけてた方がいいと思うし…








『んー、なんだか首輪みたいだな…』









少し苦しいけどまぁ、慣れるしかないか…









その後は一人でご飯を食べた





本当に誰もいなくて少し寂しかった







何処か出かけたくて帽子、バックをもって外に出た。





ついでに夜ご飯の材料も買おうかな









私だって一応料理はできる。






ひどい時は食事すら与えてくれないこともあったから身につけた。









自動ドアの手前で深呼吸









初めて歩く世界に









一歩足を進めた。









『わぁ…、ビルってやっぱり大きい…！




雑誌で見たクレープ屋さんあるかなぁ…』









周りを見ながら歩いていった









楽しかった









スーパーに着いたらあらかじめメモしておいた材料を探した






美味しそうなお菓子はかごに一つ二つ入れた









『あ、これ…中原さん好きそう…』







ワインのおつまみも買った






新居にワインセラーまであったから多分ワイン好きなんだろうな…









「ワインのお供にこちらもオススメですよ。






＿＿＿＿＿＿＿可憐なお嬢さん」








『…え。』







隣から包帯で巻かれた細い腕が出てきた






慌てて後ろを見ると








背の高い砂色の長外套(コート)を身にまとった男の人がいた。









『えっとすみません。飲むのは私ではないんです…。』








「おや、そうなのかい？






残念だ。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿中原中也の奥さん」









『！？、なん…で…』









知ってるの?

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