第五十七話 ページ30
翌日。
昨日、長老に頼まれた用事をさっさと済ましてしまおうと思った私は、早速長老の家に向かう。
約束は早めに果たす主義なんでね。
「あー、Aちゃん！こっちだよ！」
どうやら家の外で待っていた様子の長老。
しっかし、朝から元気だなぁ。
「おはようございます」
「ああ、おはよう。早速だがついておいで。書物庫に案内するよ」
へぇ、書物庫なんてあるんだ。
てか、長老の家何気にデカイ。金持ちか。
長老の家にお邪魔する。
しばらく廊下を歩いて行くと、突き当たりに頑丈そうな扉が見えた。
「ここだよ。……よいしょっと」
長老がぐっと扉を押すと、中から埃の匂いがむわっと漂う。
「久々に入るから、結構埃が溜まっているようじゃな」
「そうみたいですね」
長老に続いて書物庫に入る。
中には、大きい本棚がずらっと並んでいる。
意外と、部屋は広そうだ。
「図書館じゃからなぁ……。こっちか」
長老は、一番奥の本棚の前で足を止めた。
「ここの本棚から選んでくれ。十冊くらいでいいよ」
「おっけーです」
ふむふむ。
見た感じ、この本棚には童話集や絵本が並んでいる。
元の世界では見たことのない本ばかりだ。
とりあえず私は、割と綺麗な本を中心に選ぶことにした。
--------------
「選び終わりましたよ」
「そうか、ありがとう。どれ、お礼じゃ。Aちゃんも好きな本をもって行くといい」
「あ、いいんですか？それじゃあ、お言葉に甘えて」
さすが長老。
まぁ、ラノベとかは期待しちゃダメかな？。
私は早速、別の本棚を物色する。
すると、気になる本を見つけた。
「《異世界についての研究記録》……あれ？」
そう、この本。
なんと、背表紙が日本語で書かれていたのだ。
この世界、使われている文字は英語以外見たことがない。
海軍に入ってから、資料探しに図書館へ行くことがあった。
世界中の本が集まる海軍の図書館。
それでも、日本語で書かれた本なんて一冊も無かった。
ワノ国出身だという海兵くんも、日本語は読めなかったのに。
「おや、決まったかい？ん？その本なに書いてあるかわかんないよ？」
「大丈夫です。この本にします」
私は長老の念押しを受けつつも、好奇心で胸がいっぱいだった。
「そうかい？まぁいいんだが。それじゃ、今日はありがとう」
「いいえ、これくらい大丈夫ですよ」
別れの挨拶も程々に、私は家へと急いだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
漆鬼凪(プロフ) - あいリンゴさん» コメントありがとうございます！いやぁ、そう言われると嬉しいです！更新頑張りますね！ (2014年8月31日 22時) (
レス) id: 1d23b95b56 (このIDを非表示/違反報告)
あいリンゴ(プロフ) - スゴイ面白い作品ッス！！ハイキュー!!とワンピのコラボ作なんてよく思いつきましたね！！私なら、絶対に思いつかない…あっ！スミマセン！！私の独り言が！！お気に入り登録もさせていただきます！更新頑張って下さいね！！ (2014年8月31日 20時) (レス) id: edd937c1b4 (このIDを非表示/違反報告)
漆鬼凪(プロフ) - 黒猫かぶりさん» 私は逆にしばきたい(((分かりますよ！その気持ち！ (2014年8月27日 13時) (レス) id: 1d23b95b56 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫かぶり(プロフ) - 海軍入隊希望ーーーっ！青雉の部下がいいですっ！仕事でも何でもやりますからーーーー(((( (2014年8月27日 13時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)
漆鬼凪(プロフ) - 黒猫かぶりさん» 私もでぇぇぇぇぇすぅぅ((すいません！ コメントありがとうございます！ (2014年8月27日 12時) (レス) id: 1d23b95b56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：漆鬼凪 | 作成日時：2014年8月22日 19時
