106.回避 ページ6
「はー! 気持ち良かったー。」
「……意味深なセリフなんですけど。」
プリプリ怒りながらも
Aさんがコップにお水を注いでくれる。
「はい。どうぞ。」
「あ! ありがと!」
ゴクゴクゴク……。
「んぁー!! マジでカラッカラだった。」
「でしょうね。
私ビール買っておいたんだー。ふふん♪」
「え、飲むの?」
「え、ダメ?」
「Aさん飲むとヤベーからなー。」
「は? そんな事ないもん。
この喉の渇きで絶対ビール飲みたい!」
「好きにしろよ。へへっ。」
「もー知らない。飲む。」
「どうぞどうぞ。」
ゴクゴク……。
「っはー! 最高過ぎる!
あ!結弦くんにもジュースみたいなお酒
買ってくれば良かった。」
「いや、いらねぇってば。」
「いーや、飲ませたい。だってぇー。
あの可愛い子がどうしてもまた見たいんだもーん。
くふふっ……。」
「なんかムカつく。」
「じゃあ飲まなくてもたまにはあの可愛い
結弦ちゃんを見せてくれたら良いんじゃない?」
「やだし。っつか結弦ちゃん言うな。
バカにしてんだろ。」
「むー……。
あ! じゃあアレ使おっかな?」
「は? 何。」
「結弦くんがいじり過ぎて私が泣いた時の
ペナルティ。
『なんでも言うこと聞く権』。」
「……うーわ。完全に忘れてた。」
「たまには可愛い結弦くんでいて欲しい!
いつもツンツンしてるんだもん。」
「なんだよ。出来ねぇよ。これが俺だもん。
どーやってやれば良いんだよ。
出来ることならやるっつったろ。
出来ないから却下。」
「おケチ!
じゃあまだとっておくからいいもん。」
「好きにしなさい。」
「私がお酒を買ってきたら
飲まなきゃいけない権にしよっかな?
あ、これイイんじゃない?」
「……却下。」
「なんでー!? 出来るでしょ!」
「無理。やだ。」
「なんでもしてくれないじゃん!」
「そんな事に使っちゃっていいの?
もうちょっと考えなよ。」
「えー!? もー……。」
唇を尖らせてブツブツ言う姿は
相変わらずすこぶる可愛い。
っつか、すっかり忘れてたわ。
なんの要求が来るんだよ。
あー怖っ。
次はどうやって逃げようかな。
ふふっ。
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菜紬(プロフ) - てごさん» コメントありがとうございます!いつも読んで下さっているなんて‥感激です(≧∀≦)書いているとどんどん口が悪くなるので(笑)心配でしたが、楽しんで頂けて嬉しいです♪ (2020年6月16日 22時) (レス) id: a7d05f70f7 (このIDを非表示/違反報告)
てご(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております( ´∀`)口の悪いゆづ君も良い感じですね。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: 9f3d54ffe3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜紬 | 作成日時:2020年5月22日 13時